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あの実力馬が断然のトップ評価に!/札幌記念

  • 2015年08月19日(水) 18時00分

■札幌記念(G2・札幌芝2000m)フルゲート16頭/登録15頭


【コース総論】札幌芝2000m Cコース使用

・コースの要所!

★狙いの軸足は「中穴」。4〜6番人気から入ったほうが期待値は高くなる。
★少しだけ内枠有利の傾向も、内外差はそこまで大きくはなく公平なコース。
★直線が短く完全に前有利。中団より前のポジションが好走の必要条件だ。






 16頭立てでの平均配当は、単勝1112円、馬連5354円、3連複2万8382円。単勝平均に対して馬連平均が低い理由は、人気別成績を見ればよくわかる。1〜3番人気が19勝41連対で、4〜6番人気が17勝33連対と人気の割に後者の成績は目立っており、当然ながら回収率も後者のほうが圧倒的に上。つまり、「4〜6番人気が勝って1〜3番人気が2着」といった結果の多さが、単勝平均配当を押し上げているのである。

 次に枠番だが、こちらは意外なほどにフラット。一応は内枠が好成績で外枠がもっとも成績が悪いのだが、平均人気の差を考えると妥当な結果といえる。この程度の成績差であれば、枠番を気にする必要はそれほどナシ。「外枠をほんの少しだけ割り引く」程度で、まったく問題ないと思われる。

 逆に、重視したいのが脚質である。昨年は後方からマクったハープスターとゴールドシップで決着したが、この2頭はいずれも4コーナーを4番手で通過している。だからこそ間に合ったワケで、基本的にはかなり前有利なコース。中団より前のポジションが取れる馬を重視すべきなのは明白で、不器用な差し〜追い込み脚質の過信は禁物だ。

 それをよく物語っているのが、上がり3Fタイム別成績。上がり1位の馬が[3-8-2-14]で勝率11.1%と取りこぼしが目立つのに対して、上がり2位の馬は[6-2-5-8]で同28.6%とキッチリ勝ちきっている。中団からの最速上がりよりも、前々で流れに乗ってソコソコの脚を使う馬のほうが、このコースでは信頼できるのである。

【レース総論】札幌記念(G2) 札幌過去10年

・レースの要所!

★1番人気が勝率33.3%、連対率77.8%と好調。牝馬の強さも目立っている。
★コースデータよりも内枠優勢。馬番1〜8番に入った馬はプラス評価の対象。
★前走G1組の5歳以下馬が主役。函館記念組は前走3着以内が好走の必要条件。








 秋をにらんだ実績馬が出走してくるため、夏の重賞にしては1番人気馬が強い札幌記念。2005年のような大波乱もあるにはあるが、基本的には「あってチョイ荒れ程度」と考えておいたほうがいい。コースデータ同様に、美味しいのは4〜6番人気や7〜9番人気の中穴ゾーン。あとは、牝馬が非常に強いことや、過去9回の勝ち馬がすべて関西馬であるのも、意識しておきたいポイントである。

 コースデータと大きく食い違うのが枠番別成績。少頭数で行われることもあるとはいえ、内外でここまで成績差が出るとは驚かされた。枠番値からも内枠有利であるのは明白で、出走頭数に関係なく「馬番1〜8番」に入った場合は大幅にプラス評価すべき。逆に、馬番9〜16番に入った馬は、1番人気以外はかなり割り引いて考えたほうがいい。

 また、年齢別成績でも大きな差が見受けられる。6歳以下の高齢馬が不振で、5歳以下馬のほうが圧倒的に優勢。なかでも4歳以下馬は、トータル[5-3-2-25]で連対率22.9%と非常に強く、1着にくるケースが多いのも魅力である。年齢については、フレッシュで勢いのある馬を重視するスタンスを推奨したい。

 前走レース別での注目株は、やはり宝塚記念組だ。出走数自体は少ないのだが、連対率50.0%、複勝回収率150%という素晴らしい成績。それ以外のG1に出走していた馬も全体的に好調で、前走G1組というだけで買うだけの価値がある。対照的に、出走数は多いが不振なのが函館記念組で、信頼度・回収率ともに低調。こちらは、狙うなら「函館記念3着以内馬」に限定したほうがいい。

 そして最後に、4コーナー通過順位別での成績だ。コースデータ分析でも述べたが、どんな実力馬であっても後方に置かれた時点でアウト。最悪でも4コーナーを10番手以内、できれば7番手以内で通過できるのが望ましい。勝率も連対率も、4コーナーでの通過順位が前であればあるほど高くなるのが、札幌記念というレースなのである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Aコース→Cコース替わりで、今週は先行勢に有利な馬場となる可能性が大。

・天候予測
 やや不安定な天候も降水確率はかなり低め。良馬場前提の予想で問題ナシ。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ジャングルポケット産駒○、ブライアンズタイム産駒▲、ゼンノロブロイ産駒△、スペシャルウィーク産駒△

 すっかり秋めいた気候となっている現在の札幌。不安定な天候が続いていたが、週末にかけての降水確率は低めで、好天のもとでレースが行われそうだ。また、AコースからCコースに切り替わるタイミングであるのも、忘れてはいけない要素。良馬場&Cコース替わりで、前有利の馬場バイアスとなる可能性が高い。

 種牡馬別では、コレという目立った存在は見当たらず。ディープインパクト産駒も「フツーに強い」程度で、飛び抜けてコース適性が高いという印象はない。それ以外ではゼンノロブロイ産駒、ジャングルポケット産駒、スペシャルウィーク産駒などが好調で、出走数こそ少ないが猛烈に成績がいいブライアンズタイム産駒も要注目。やはり、純然たるキレ型よりも、少しパワー寄りの血統構成のほうが向くようだ。

★出走登録馬・総論×各論

 ルージュバックとエアソミュールの回避は残念だったが、それでもラキシスとトーホウジャッカルなど、面白いメンバーがエントリーしてきた今年の札幌記念。函館記念快勝のダービーフィズ、実績馬ラストインパクトなども侮れず、馬券的にもかなり楽しませてくれそうなレースである。

 トップ評価は、久々だった前走・宝塚記念でも力を見せたトーホウジャッカルだ。「血統的な裏付けのある関西の4歳馬で、中団より前の位置から競馬ができる前走宝塚記念組」と、好走を後押しするファクターが目白押し。長期休養明けを叩かれた効果は間違いなくあるはずで、割り引くような材料は見当たらない。大幅な馬体重マイナスでもないかぎり、ここは迷わず本命に推したい。

 また、牝馬のラキシスもプラス材料の多さが目立つ1頭だ。宝塚記念では人気を裏切ったが、後方からの競馬となったのが裏目に出た格好。本来は前々で流れの乗れる馬であり、脚質的な面でも問題はないと判断する。あえて不安材料を挙げるなら、血統的に洋芝適性の高いタイプではないこと。それもあって少し評価を下げたが、この相手関係ならば大きな変わり身があっておかしくない。

 三番手は、絶好調・岩田ジョッキーが引き続き手綱を取る予定のダービーフィズだ。ひと頃は後方からの競馬で前を捉まえきれない競馬が続いていたが、初の洋芝だった前走の函館記念で、見違えるような走りを見せた。かなり洋芝適性の高そうなタイプで、成績イマイチな函館記念組でもここは「買い」ジャッジ。コース適性だけなら、この馬がナンバーワンかもしれない。

 あとは、徹底逃げ脚質が魅力でそろそろ復活がありそうなトウケイヘイローと、このところの充実ぶりが光るラストインパクトも、上位評価の一角。以下はヤマカツエース、ハギノハイブリッド、ディサイファ、サクラアルディート、ステラウインドという評価順である。ただし、枠番の内外でかなり成績差があるレースであるため、最終的な評価をガラッと入れ替える可能性もありそう。オッズも加味して、中穴配当を狙うスタンスで買い目を構築するとしたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




新潟11レース 関屋記念(G3)
1着 12レッドアリオン
2着 04マジェスティハーツ
3着 10ヤングマンパワー

3連単10万9570円的中!

( ゜д゜)やったったでー!
トップ評価のレッドアリオンと3番手評価のマジェスティハーツで決着。単勝か、それとも相手を絞った馬連かと悩んで、行き着いたのが単勝を買うイメージでの3連単勝負。WINS札幌で「変なの来いっ!!」と大声で叫んでいたのは筆者です(大歓喜)。

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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