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今年は高配当での決着もありうる!/アルゼンチン共和国杯

  • 2015年11月04日(水) 18時00分

■アルゼンチン共和国杯(G2・東京芝2500m)フルゲート18頭/登録25頭


【コース総論】東京芝2500m Bコース使用

※今回は東京芝2400m〜2500mを集計対象としています

・コースの要所!

★人気馬の信頼度は高めも、妙味や期待値は4〜6番人気がもっとも高いか。
★枠番値や回収率が高い、外枠は割引。馬番1〜12番に入るのが望ましい。
★中団待機からの最速上がりが勝ち馬のイメージ。差し馬を重視する姿勢で。






 本当は東京芝2500mに限定せねば無意味なのだが、現在はアルゼンチン共和国杯と目黒記念でしか使われていないため、データ量が絶対的に不足。というわけで、今回掲載しているのは「ほぼ」東京芝2400mのデータだ。100mの差でしかないが、スタート直後が坂越えであるなど差は大きく、あくまで参考データと思っていただきたい。

 平均配当は、単勝1480円、馬連6047円、3連複2万7621円と、単勝の高さが目立つ。人気サイドが強いコースではあるのだが、それよりもう少し人気が下の「中穴ゾーン」のほうが、期待値は高いといえる。ふたケタ人気の超人気薄も来るが、勝負になっているのは11番人気まで。効率を考えると、10番人気以下馬に手を出すのはオススメできない。

 枠番については、ハッキリと外枠不利。目立っているのが回収率の差で、外枠である馬番13〜18番の回収率は単勝13%、複勝35%と猛烈に低い。枠番値もマイナス0.7と突出して低く、馬番15〜18番に至っては期間内未勝利。人気馬であっても、外枠に入った場合は大幅な割引が必要となる。

 直線の長い東京コースであり、脚質はやはり差し優勢。500万下〜重賞では、4角5番手以内馬の連対率が10.6%であるのに対して、4角6〜10番手馬のそれは17.6%と、かなりの差が出ている。素晴らしいのが上がり最速馬の好成績で、勝率40.7%、単勝回収率622%と絶好の狙い目。中団待機から最速上がりで1着──というのが、わかりやすい勝ち馬のイメージである。

【レース総論】アルゼンチン共和国杯(G2) 過去10年

・レースの要所!

★3番人気以内馬が8勝をあげる好成績も、1番人気馬の信頼度はやや低め。
★5歳以下馬が圧倒的優勢。なかでも4歳馬は好成績でもっとも信頼できる。
★コースデータ同様に外枠不利。ハンデは斤量増となる馬の好調が目立つ。









 平均配当が単勝812円、馬連4414円、3連複2万2091円と、コースデータよりもグッと下がるアルゼンチン共和国杯。3番人気以内馬が[8-5-4-13]で連対率43.3%、複勝率56.7%と好成績なのが、その要因である。ただし、1番人気馬は[2-1-1-6]と意外に信頼度が低く、2〜3番人気を狙ったほうが美味しそうだ。

 年齢別では、4〜5歳馬の活躍が目立っている。6歳以上馬も買えないわけではないのだが、5歳以下馬と比較すると、トータル[2-2-2-73]で連対率5.1%、複勝率7.6%と明らかに劣勢である。枠番についてはコースデータ同様に「外枠不利」で、平均人気が9.9と低いのもあるが、その複勝率はたったの5.9%だ。枠番値がプラス0.8と優秀な馬番1〜6番を、もっとも高く評価したい。

 続いて脚質面だが、取り扱い注意なのが差し〜追い込み勢。コースの特性を考えると、もっと差せていいはずなのだが、4角11番手以下馬はかなり成績不振である。対照的によく踏ん張っているのが、6勝をあげている先行勢。コースデータやイメージよりも、前が残るレースだと考えておきたい。

 注目したいのが前走距離別成績で、過去10年で馬券に絡んだ30頭のうち、じつに29頭までが「前走2000〜2400m戦」出走組。あとは、データを掲載していないが、前走条件戦組がトータル[3-3-4-28]で複勝率26.3%と侮れないのも、このレースの特徴といえる。前走、条件戦で連対している馬には、相応の警戒が必要だ。

 そして最後にハンデについて。全体的に「背負っている組」が強く、軽ハンデ馬は期待薄といえる。逆に、文句なしの成績なのが57.5キロ以上を背負う実績馬で、複勝率34.6%、複勝回収率112%と高期待値。また、前走から「斤量増」となる馬の強さも見逃せない。今年の登録馬で斤量増となるのは、サトノノブレス、ヒラボクディープ、フラガラッハ、マイネルフロストの4頭だけだ。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Bコース継続。ペース次第で前も残るし差しも決まる、フラットな状況か。

・天候予測
 日曜日から降雨となりそう。多少の道悪となるケースも想定しておきたい。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ハーツクライ産駒○、ゴールドヘイロー産駒▲、マンハッタンカフェ産駒△、シンボリクリスエス産駒△

 先週の結果を見るかぎり、かなりフラットな状況にありそうな東京の芝コース。Aコースでの開催時に比較すると、それなりに前が残るようになった印象を受ける。とはいえ、基本的に差し優勢の競馬場&コースであり、今週からガラッと前有利になる──などというケースは考えづらい。やはり、好位〜中団のポジションが取れる馬を上位に評価すべきだろう。

 血統面は、ざっくりいえば「走りそうな馬が走る」といったカンジ。ディープインパクト産駒やハーツクライ産駒など、馬場適性の高い瞬発力型の種牡馬が素直に強い。この二強には見劣るが、シンボリクリスエス産駒やゴールドヘイロー産駒、マンハッタンカフェ産駒も優秀な成績。上記5種牡馬の産駒を、ここはプラス評価の対象としたい。

★出走登録馬・総論×各論

 秋のG1シリーズの「箸休め」的なタイミングで開催される、アルゼンチン共和国杯。当然ながらG1を目指すクラスの馬は出走してこないわけで、例年なかなか難しいメンバーが顔を揃える。今年も、下手すると前走条件戦組のゴールドアクターが1番人気になりそうなメンバー構成で、以下もマイネルフロスト、ヒラボクディープなど、なかなかアテにしづらい面々。ハンデ戦でもあり、なおさら難解な一戦となった。

 当データ分析が筆頭評価したのは、トップハンデ58キロを背負うサトノノブレスだ。前走の人気と着順、東京芝実績といった懸念材料もあるが、それ以外の項目ではことごとくプラス評価に。休養明けを叩かれた状態面での上積みもありそうで、ここはかなり期待が持てそうな一戦といえる。

 二番手には、1年4ヵ月ぶりの前走で結果を出した、プロモントーリオを抜擢する。休養前に目黒記念3着の実績があるように、コース適性の高さが目立つ1頭。前走は準オープンとはいえ強い内容で、正直なところ驚かされた。血統や脚質の面でも強調材料があり、あとは人気次第。いずれにせよ、面白い存在であるのは間違いない。

 三番手評価はゴールドアクター。こちらも前走が条件戦だが、菊花賞でトーホウジャッカルの3着にきた実績があり、昇級を気にする必要はまったくなし。前走も57.5キロを背負って完勝と、まだまだ成長中という印象を受ける。ここは試金石となる一戦だが、勢いはナンバーワン。スッと好位が取れるセンスの良さも魅力である。

 四番手評価にレコンダイト。近2走はイマイチな結果に終わっているが、その前には目黒記念での2着がある。データ面での強調材料も多い馬で、いかにもアルゼンチン共和国杯で上位に突っ込んできそうなタイプ。好位〜中団から差せる脚質や臨戦過程などからも、ここは「買い」ジャッジが正解とみる。

 ここまでが上位評価組で、以下はヒラボクディープ、マイネルフロスト、マリアライト、ラブイズブーシェ、ニューダイナスティという評価順。ここから、外枠に入った馬を思いっきり割り引いて、内枠に入った馬の評価を少し上げる──というのが、現時点での青写真である。netkeiba.comの予想オッズではゴールドアクターが2.2倍と圧倒的な支持を集めているが、これはさすがに過剰評価。「1番人気が弱いレース」であるのも意識しつつ、最終的な買い目を構築したい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




東京11レース 天皇賞・秋(G1)
1着 08ラブリーデイ
2着 14ステファノス
3着 16イスラボニータ

ハイどーも馬券下手でーす(自嘲)。最終的に、上位評価組でいちばんマシな枠番を引き当てたラブリーデイを本命に。「そこからヒモ荒れを狙う」というスタンス自体は間違っていなかったものの、選択を完全に間違えたモヨウ。イスラボニータがもう少し内の枠だったら、迷わず勝負してたんだけどなあ……すんげえ悔しい。

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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