■エリザベス女王杯(G1・京都芝2200m外)フルゲート18頭/登録20頭
【コース総論】京都芝2200m外 Bコース使用
・コースの要所!
★1番人気の信頼度が高いコース。7番人気以下はわずか3勝とかなり期待薄。
★内枠である馬番1〜6番は、連対率で他に10%もの大差。圧倒的に有利だ。
★4角10番手以内であれば、信頼度に大きな差はない。追い込み脚質は割引。
16頭立て以上で行われたのは、たったの36レース。データ母数の不足は否めないが、平均配当は単勝1136円、馬連5620円、3連複2万2216円と、おおむね平均値あたりに落ち着いている。1番人気馬の[10-8-8-10]という優秀な成績からわかるように、基本的には人気サイドが強いコースである。じつに勝ち馬の83.3%までが5番人気以内で、人気薄が1着に来るケースかなり狙いづらい。
次に枠番だが、内枠である馬番1〜6番が圧倒的に有利。連対率ベースでの比較で、他に10%以上もの大差をつけている。平均人気が8.2ともっとも高いのに、枠番値もプラス0.4と優秀そのもの。中枠と外枠では成績差が出ていないことから、外枠不利ではなく「内枠有利」だと捉えたほうがいい。
最初のコーナーに進入するまでが長く、さらに外回りで最後の直線も約400mあるコース形態。展開に紛れがないのも納得で、極端に後方に置かれでもしないかぎり、脚質はそう気にする必要ナシだ。多少は先行有利だが、差し馬でも末脚さえあれば、あっさり届くのがこのコース。好位〜中団のインがベストポジションか。
【レース総論】エリザベス女王杯(G1) 過去10年
・レースの要所!
★8番人気以下[1-1-0-97]と人気薄はきわめて期待薄。狙えても中穴までか。
★秋華賞3着以内馬は連対率35.3%、複勝率47.1%と高信頼度。買うのがセオリー。
★前走で牡馬と戦ってきた組が強いレース。混合重賞からのローテを高評価!
1番人気馬[2-3-2-3]、3番人気以内馬[5-7-4-14]と、人気馬が堅実な結果を残しているエリザベス女王杯。クィーンスプマンテとテイエムプリキュアで決まった2009年のような大波乱もあるのだが、8番人気以下馬が馬券に絡んだのは、過去10年でこの年だけ。8番人気以下はトータル[1-1-0-97]と非常に信頼度が低く、基本的には「かなり」人気サイドが強いレースといえる。穴を狙うとしても、4〜7番人気あたりまでか。
堅く決着している要因のひとつが、3歳馬──つまり秋華賞組の強さである。秋華賞組自体は[4-3-2-33]で連対率16.7%、複勝率21.4%と信頼度が高くはないのだが、秋華賞3着以内馬に限定すると、[3-3-2-9]で連対率35.3%、複勝率47.1%という超・高信頼度に。秋華賞の結果は、エリザベス女王杯の結果に直結するといっても過言ではない。
枠番別データは、コースデータと違って内外がフラットな結果に。ただし、枠番値ベースで比較すると、もっとも優秀なのはやはり内枠である。やはりここは、レースデータよりもコースデータ重視で、内枠有利という認識でいきたいところ。脚質についても、「やや先行有利だが差しも十分に決まる」という、コースデータと同じ結論でいい。
秋華賞組以外で注目したいのが、前走で牡馬混合戦に出走していた馬の強さである。トータル[3-5-3-29]で連対率20.0%、複勝率27.5%と、牝馬限定戦組よりも明らかに強く、回収率も非常に高いのがこの組。前走で牡馬混合の重賞に出走していた馬に限れば、期待値はさらに跳ね上がる。
今年の登録馬では、ウインリバティ、カノン、シュンドルボン、タガノエトワール、ヌーヴォレコルト、フーラブライド、フェリーチェレガロ、マリアライト、ラキシス、リラヴァティが前走で牡馬混合戦を使われてきた組。この中で前走が重賞だったのは、ヌーヴォレコルト、フーラブライド、マリアライト、ラキシスの4頭だ。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
Bコース継続。先週は内が伸びない印象があり、コレがどう出るかに注目。
・天候予測
今週末も降水確率はかなり高め。先週同様に道悪での競馬となりそう。
・注目血統
ホワイトマズル産駒◎、ディープインパクト産駒○、ハーツクライ産駒▲、キングカメハメハ産駒△
脚質については「なんでも来い」だった先週の京都芝だが、これは道悪だった影響が大いにありそう。内を通った馬が伸びていなかったことから、ラチ沿いから「数頭分外」を通れる馬のほうが有利かもしれない。また、今週末も降水確率が高く、再び道悪での競馬になりそうなのも考慮しておくべきだろう。
血統については、ディープ、ハーツ、キンカメが素直に強い瞬発力コースだが、意外に侮れないのがホワイトマズル産駒だ。出走数が少ないとはいえ、連対率30.8%、複勝率34.6%と、ディープインパクト産駒とタメを張る成績を残している。能力はさておき、コース適性だけなら「三強」以上といえる存在。ヒモに100円だけリメインサイレントを押さえる──といった買い方もアリか。
★出走登録馬・総論×各論 強い馬が素直に強い、近年のエリザベス女王杯。今年は前走準オープン組も出走可能だが、この組が馬券に絡んだことは過去10年で一度もない。クラス、人気、着順といった近走実績が、そのまま素直に信頼できるレース。また、中8週よりも長いローテで好走した馬もゼロと、「順調度」も重要なファクターである。
というわけで、当データ分析が推す馬も、今回は至って順当。前走オールカマー2着からのローテで臨む、昨年の2着馬
ヌーヴォレコルトがトップ評価である。近走は人気に応えられていないが、宝塚記念でも牡馬を相手に好走した地力と底力は、大きな魅力。牝馬限定戦でこの距離ならば、大きく崩れるケースは考えづらい。
二番手評価に、昨年の覇者である
ラキシス。牡馬の一線級と五分に渡り合ってきたのだから、ヌーヴォレコルト同様に「牝馬相手なら格上」であるのは間違いない。人気になって当然の1頭で、しかも鞍上にムーアを配するという必勝態勢。二番手ではあるが、ヌーヴォレコルトとの差はほとんどないといえる。
三番手には、これまた古馬の
フーラブライドを推したい。アテにしづらい面のある馬で、しかもエリザベス女王杯とは相性イマイチの「6歳以上馬」だが、前走の京都大賞典ではラブリーデイから0秒4差であり、ラキシスとはタイム差なし。今年の登録馬で「一発」があるとすれば、この馬くらいしか考えられない。
そして、四番手に3歳馬の
クイーンズリング。秋華賞馬ミッキークイーンがいないとなると、3歳馬で通用する可能性があるのは、データ的にはこの馬くらい。ちょっと不器用なところがある馬だが、そのぶん末脚のキレはかなりのものだ。ツボにはまった場合の爆発力ならば、ここでも上位といえる存在である。
以下は、シャトーブランシュ、マリアライト、リメインサイレント、シュンドルボンという評価の序列。人気の一角に推されそうなタッチングスピーチとルージュバックの2頭は、いずれも割引材料が目立っているため、ここは「消し」評価で臨みたい。これなら、順当決着でもそれなりのリターンが期待できるはずだ。
■総論×各論・先週の馬券回顧
東京11レース アルゼンチン共和国杯(G2)
1着 15ゴールドアクター
2着 14メイショウカドマツ
3着 18レーヴミストラル
1番人気のゴールドアクターに喧嘩を売って、完敗。もう、見せ場ゼロの大ハズレで、反省すべき点「しか」ない(猛省)。楽勝かと思えたメイショウカドマツを最後の最後で捕まえるんだから、ゴールドアクターってやっぱり強いネ。みやこSを当てたので金銭的ダメージは軽微も……コラム馬券があまりに低調で、恥ずかしくなってきたYO!
※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。