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目指すは日本一の女性騎手!名古屋の木之前葵騎手に独占密着

  • 2015年12月28日(月) 18時01分
岡部幸雄、武豊、中竹和也、星野忍、三浦皇成。5人にはある共通点がある。それは、英国で勝利(平地・障害)を挙げたということ。ここに今春、22歳の女性が加わった。地方・名古屋競馬の騎手・木之前葵(錦見勇夫厩舎所属)。競馬発祥の地で記念すべき勝ち星を挙げた日本人女性に密着した。(取材・文・写真:大恵陽子)


笑顔で20頭に乗り続ける


「イギリスで勝ってから取材が増えました」

 笑顔で答えた木之前はデビュー3年目。今年5月、イギリスで行われた女性騎手招待競走「レディースワールドチャンピオンシップ」で海外初騎乗初勝利を挙げ、帰国後には通算100勝を達成。次代の女性トップジョッキーと目されている彼女の朝は早い。

●深夜1時45分
 名古屋競馬場から車で約20分離れた弥富トレーニングセンターに関係者と競走馬は暮らしている。ピンクのネックウォーマーをした木之前が馬と息を合わせて駆けてゆく。多くの人が寝静まった時間。馬の息遣いだけが響き渡る。

地方企画

「1時20分に起きて、1時45分から平均23頭の調教に騎乗しています。弥富トレセンのコースは名古屋競馬場とほぼ同じなので、調教では勝負所の3〜4コーナーで時計にならない程度に加速させたりします。それを馬が覚えてくれて本番で発揮してくれることもあります。自厩舎優先に乗りますが、最近は他厩舎からも依頼をいただけるようになって嬉しいです」

 静寂を切り裂くような人懐っこい笑顔を見せた。

 調教頭数は騎手によって様々。10頭程度の騎手から木之前のように20頭超えの売れっ子もいる。肉体的には大変だが、調教に騎乗した馬にレースでも騎乗できるケースが多い名古屋では、歓迎すべきことだと言える。

「ご飯を食べずに乗っているのでお腹が空いちゃって。15分くらい空き時間ができるので、コーヒーをたくさん飲みます」

 149cmと恵まれた体格の彼女は、女性騎手に与えられる-2kgの減量を考慮しても体重は問題ない。(※女性騎手の減量特典は、競馬場により異なる)

●午前6時45分
 単走で調教をこなす馬が多い中、木之前は兄弟子の騎手・大畑雅章とともに2コーナー脇の入口から並んで入ってきた。なぜ併せ馬なのだろうか。

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