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強いモノに巻かれたほうがベター/日経新春杯

  • 2016年01月14日(木) 18時00分

■日経新春杯(G2・京都芝2400m外)フルゲート18頭/登録13頭


【コース総論】京都芝2400m外 Aコース使用

・コースの要所!

★少頭数では、1番人気を筆頭に人気サイド強し。平均配当も総じて低め。
★枠番の内外を気にする必要はないが、馬番1〜2番だけはプラス評価で。
★勝ち負けに速い上がりが要求されるコース。ポジションは好位がベスト。






 10〜13頭立てにおける平均配当は、単勝984円、馬連4573円、3連複1万1408円と低めの水準。少頭数でもあり、1番人気を筆頭に人気サイドが総じて強いコースである。7番人気以下馬のトータル連対率が4.2%しかないことを考えると、素直に人気馬を信頼したほうがベター。4〜6番人気を、買い目にどう組み込んでいくかが問われる条件といえる。

 広々とした京都芝の外回りで少頭数となると、枠番による有利・不利はほとんどなし。枠番値がマイナス0.1〜プラス0.1の範囲に収まっているように、どの枠番からでも能力をキッチリ発揮できる。あえてプラス評価の対象を探すなら、信頼度・回収率の両方が高い、馬番1〜2番。一応、多少は内枠有利の傾向にある。

 脚質面ではハナ〜好位勢が好成績だが、注目すべきは上がり3F順位別成績。集計対象とした48レースのうち、じつに37レースまでが「上がり3F順位1〜3位」の勝ったレースである。これを考えると、速い上がりを使えるのは、このコースで勝ち負けする上での必要条件。先行勢でも、キレる末脚を使えるかどうかは、必ずチェックしておきたい。

【レース総論】日経新春杯(G2) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気の勝率は低いが全体的に人気サイド優勢。少頭数なら人気馬中心。
★勝率の高さは馬番1〜6番が断然。内外差はないが、アタマ狙いならココで。
★5歳以下馬が圧倒的に強いレース。速い上がりの必要性も、きわめて高い。









 過去10年における平均配当は、単勝1018円、馬連3798円、3連複1万9796円。しかし、13頭立て以下で行われた5回に限定すると、平均配当は単勝446円、馬連1256円、3連複8892円と、いずれも半分以下にまでダウンする。つまり、最高でも13頭立てとなる今年の日経新春杯は、人気サイドでのガチガチ決着になる可能性もあるということだ。

 枠番別での傾向は、おおむねコースデータと同じ。馬番1〜12番に入った馬については、内外による差を気にする必要はほとんどない。ただし、1着馬に関してはかなり内枠優勢であり、過去10年の1着馬のうち7頭までが、馬番1〜4番。この時期の京都芝特有である「内有利の馬場バイアス」が、大きく影響しているようである。

 脚質面は、コースデータよりも差し優勢。注目したいのが「最速上がり馬」の強さで、連対率72.7%、複勝率90.9%という、鉄板級の信頼度を誇っている。コースデータ分析でも触れたが、速い上がりを繰り出せるかどうかが、勝敗を大きく左右するレース。好位〜中団からキレのある末脚を使える馬を、高く評価すべき条件といえる。

 あとは、前走レースの「格」が意外に問われないレースであることや、5歳以下馬がトータル[8-8-8-45]と圧倒的に強いこと。ハンデ57キロ以上を背負う組が不振で、斤量55〜56.5キロのゾーンに好走例が集中していることなども、押さえておきたいポイント。上位人気から、こういった条件をしっかり満たす馬だけを抽出したい。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Aコース継続。徐々に差せるようになってきており、現在はフラット。

・天候予測
 週明けに天候が崩れるが、日曜日までは大丈夫そう。良馬場前提で。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、キングカメハメハ産駒○、ハーツクライ産駒▲

 この時期特有の「前有利バイアス」は、開催が進むにつれて、だいぶ是正されてきた印象。それでも差し優勢というほどではなく、今週末はかなりフラットな状況でのレースになると思われる。冷え込みは厳しいが天候自体は問題なさそうで、良馬場前提の予想でオッケイ。内〜センター枠番の好位〜中団組を、積極的に狙いたい。

 高いレベルの瞬発力が要求されるコースでもあり、種牡馬別成績はディープインパクト、キングカメハメハ、ハーツクライと、いかにも適性がありそうな血統が上位にランクイン。母父別でも、サンデー、トニービンなど、末脚のキレに直結する血統が好成績を残している。血統の字面的に、いかにも瞬発力がありそうなタイプを上位に評価すべきだ。

★出走登録馬・総論×各論

 コース、レース、血統と、いずれのデータでも目立っているのが、きわめて「瞬発力」の要求度が高いコースであるということ。少頭数で超スローの流れにでもなると、なおさらその傾向が強まる。また、そう大きく荒れる条件ではないのも、前述した通り。面白味には欠けるが、ここは上位人気から、点数を絞った馬券で勝負したほうがいい。

 トップ評価は、おそらく1番人気となるであろう、シュヴァルグランだ。前3走はいずれも最速上がりと、スローでの末脚勝負は大歓迎のクチ。ハンデ54キロはややマイナスも、それ以外に割り引く材料はとくに見当たらず、逆にプラス材料はかなり多い。G2にしては相手関係も楽で、試金石としてはもってこいの一戦。素直に、高評価したい。

 二番手評価にレーヴミストラル。こちらも前2走が最速上がりの4歳馬で、血統やハンデ、臨戦過程など、プラス材料がじつに豊富な1頭である。後方に置かれるところがあるので、捌きやすい少頭数は願ってもないはず。大外枠でも引かないかぎり、1着候補としての資質を十分に満たしているといえる。

 少し離れての三番手評価がプロモントーリオ。好位〜中団からの差しが自分のカタチで、鞍上はタメて末脚を引き出すのが猛烈に上手い、M.デムーロの想定。前走は馬場の悪化に泣かされたが、能力的にもここで足りるだけのものは持ち合わせている。6歳以上馬である点などは割引だが、それでもヒモで拾って損はないプロフィルの持ち主である。

 差のない四番手評価にベルーフ。中山金杯では直前での競走除外と不完全燃焼だったが、菊花賞で0秒6差の6着、金鯱賞でも0秒3差の6着と、力のあるところは見せている。距離延長も、ジリジリ伸びる脚や血統を考えるとマイナスではないはずで、乗り方次第では上位に食い込めておかしくはない。

 以下は、サトノノブレス、アドマイヤフライト、ダコールという評価の序列。それなりに人気を集めそうな馬では、ダービーフィズの評価が伸び悩んだ。それ以外はおおむね、人気に忠実な評価の序列。末脚のキレるシュヴァルグランとレーヴミストラルを1着に固定するフォーメーションでの勝負を、今のところオススメしておきたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




京都11レース シンザン記念(G3)
1着 06ロジクライ
2着 07ジュエラー
3着 14シゲルノコギリザメ

惜しくも何ともない、まったくの大ハズレ。PATの投票画面では味気ないと思い、わざわざ友人に頼んで実馬券まで買ってもらったというのに、まるで意味がなかった。データ的に買いづらかったのがジュエラーで、新馬のラップなどから強さは感じられるも、キャリアの浅さはやはりネック。明らかに過剰人気だもんなあ……ブツブツ(愚痴)。

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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