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レース傾向に「比較的」沿うのはこの2頭!/アメリカJCC

  • 2016年01月20日(水) 18時00分

■アメリカJCC(G2・中山芝2200m)フルゲート17頭/登録16頭


【コース総論】中山芝2200m Aコース使用

・コースの要所!

★6番人気以内と7番人気以下で極端なまでの成績差。軸は前者から選ぶべき。
★内枠やや有利の傾向だが過剰人気気味。馬番9〜12番に配当的な妙味アリ。
★4角を先頭で回った馬など先行勢の強さが目立つ。前重視の姿勢がベター。






 16頭立てにおける平均配当は、単勝1424円、馬連1万1639円、3連複4万1161円と高めの水準。ただし人気別成績では、明らかに「上位人気が強い」といえるデータが出ている。7〜12番人気のトータル連対率が4.4%、複勝率が10.0%に過ぎないことを考えると、多頭数でも人気馬重視のほうがベター。買い方をひねるなら、軸ではなくヒモだ。

 枠番については「マイルドな内枠有利」の傾向。ただし、内と外での平均人気の差を考えると、内のほうが好成績で当然なのだ。馬券を買う側が必要以上に内枠を評価している印象で、実際はそれほど差がないのではないか──というのが結論である。信頼度と配当的な妙味のバランスを考えると、馬番9〜12番あたりが面白そうに思える。

 脚質面では、4コーナーを先頭で回った馬が[2-1-4-6]で複勝率53.8%と抜群の成績。対照的に、4コーナー11番手以下から馬券に絡んだのは、たったの1頭である。データ母数が少ないのもあるにせよ、先行勢がこれだけ高い回収率をマークしている以上、前有利の展開になりやすいコースであるのは確実。人気薄の先行勢は要チェックだ。

【レース総論】アメリカJCC(G2) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気は[2-0-0-8]と低信頼度。対照的に4〜6番人気の中穴は好走を連発。
★コースデータと同じく、やや内有利&かなり前有利の傾向。先行勢を重視。
★前走の「格」が結果に直結。斤量減となる馬や前走馬体重も要チェック!









 先週の日経新春杯とはうってかわって、前走で出走していたレースの「格」が結果に直結している、アメリカJCC。それもあってか、平均配当は単勝638円、馬連5579円、3連複1万3479円と、コースデータよりも格段に低い。1番人気は[2-0-0-8]と低調も、過去10年の勝ち馬はすべて5番人気以内と、順当決着傾向は強め。軸馬に関しては、人気サイドから選んだほうが絶対にいい。

 目立っているのが、4〜6番人気の活躍だ。連対率23.3%、複勝率40.0%と、信頼度の面でも上位人気と互角に張り合っており、回収率は余裕の100%オーバー。信頼度と爆発力のバランスが非常に良く、無理に7番人気以下の穴馬を狙うよりも格段に効率がいい。7〜9番人気もヒモでは買えるが、ふたケタ人気はスパッと切り捨てたほうが良さそうだ。

 次に枠番だが、こちらはおおむねコースデータ通り。一応は馬番1〜8番のほうが好成績だが、少頭数で開催された年もあることや、平均人気の差を考えると、実際はそれほど気にする必要がないと思われる。あえて言うなら1枠よりも、少し外の2〜4枠あたりがベター。これは、前々のポジションを取りやすいという理由も大きい。

 脚質面は、コースデータ以上に先行優勢。4コーナーを5番手以内で回った馬は、トータル[8-8-6-34]で連対率28.6%、複勝率39.3%と信頼度が非常に高く、回収率の面でも優秀そのものだ。当然、4角6番手以下のポジションになると信頼度は猛烈に低下。瞬発力勝負に向くタイプの人気馬は、かなり割り引いて考えたほうがいい。

 あとは、前走G1組が突出して強いことや、斤量を背負う組が強いが斤量減となる馬が意外に侮れないこと、前走馬体重480〜499キロ馬が不思議なほどに強いことなども、押さえておきたいポイント。前走馬体重479キロ以下馬は[0-3-1-41]で複勝率8.9%、複勝回収率21%と大不振。今回のサトノラーゼンは、じつはけっこう危なっかしいのである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Cコース継続。ある程度は前にいないと勝負にならない馬場バイアス。

・天候予測
 冷え込みが厳しく土曜日に降雪があるかも。多少は道悪になる可能性アリ。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ステイゴールド産駒○、ゼンノロブロイ産駒▲、キングカメハメハ産駒△、マンハッタンカフェ産駒△

 先週の土曜日はけっこう差しが決まっていた中山芝だったが、日曜日は完全に「前」のバイアスに。連対馬のほとんどが4角3番手以内馬で、後方から追い込んだ馬は3着に来るのが精一杯だった。今週も引き続きCコースで、傾向がガラッと変わってくることはなさそう。土曜日の天候は気になるが、前有利という前提で考えたい。

 血統については、飛び抜けて適性が高い種牡馬は見当たらず、ディープインパクト産駒やステイゴールド産駒、ゼンノロブロイ産駒などの成績が拮抗。瞬発力だけでなく持久力も要求されるコースであるため、「ディープ×トニービン」といったキレに特化したような配合だと、厳しい面もありそうである。

★出走登録馬・総論×各論

 ここまでに解説した好走条件をまとめると「ハナ〜好位で踏ん張れるソコソコ人気の馬で、前走でG1〜G2などに出走しており、斤量を背負っている側で、前走馬体重480〜499キロ。枠は気にしないでいいがやや内枠のほうがベター」といったところ。ただし、今年の登録馬は57キロを背負うディサイファ以外はすべて56キロで、斤量に関するデータはほぼ意味をなさない。

 また、毎年のように主役を張っている「前走G1組」も、臨戦過程やレース内容から考えるに、アテになりそうなのは菊花賞組のサトノラーゼンくらい。今年に関しては、前走G2〜G3組とそれほど差がないと考えたほうが良さそうだ。つまり、例年のこのレースとは、登録メンバーからしてかなり傾向が異なるといえる。

 それを踏まえた上で、各論へと入ろう。トップ評価は、前走・中山金杯で2着に好走したマイネルフロストだ。今年の登録馬では、前述の好走条件をかなり満たしている部類。上位人気だが、おそらく1番人気にはならないはずで、キレ型ではない血統もこのレースに関しては好印象。ぜひ、2〜4枠に入って4番人気あたりになってもらいたい。

 僅差の二番手評価がディサイファ。前走G2組、斤量を背負う組、先行脚質、ディープインパクト産駒、前走馬体重498キロと、前述の好走条件をもっとも満たしているのはこの馬である。中山芝では勝ち鞍こそないが好走実績は十分で、おそらく信頼度はマイネルフロスト以上。素直にこちらをトップ評価でも、ブッチャケいいと思う。

 この2頭から大きく離れて、三番手にステラウインド。こちらも中山金杯で先行していた組で、最後はキレ負けして5着に終わったが、内容自体はけっして悪くなかった。ゼンノロブロイ×スピニングワールドという適性の高そうな血統や、中山芝で2勝3連対の実績、好位〜中団につけられる脚質など、意外に侮れないモノがある。

 そして四番手に、前走菊花賞組である点を評価してのサトノラーゼン。最近は差す競馬が多いが、もっと前々で流れに乗る競馬もできる馬であり、今回の乗り替わりで先行策に出る可能性もありそう。前走馬体重460キロという馬格のなさは気がかりだが、戦ってきた相手やレースの格を考えれば、アッサリ勝たれても不思議ではない。

 以下は、スズカデヴィアス、クランモンタナ、スーパームーン、ヤマニンボワラクテという評価の序列。中山芝実績や前走での末脚からソコソコ人気を集めそうなライズトゥフェイムは、かなり割り引いて考えたい。「格」なら断然のショウナンマイティは、やはり超・長期休養明けが懸念材料。マイネルフロストとディサイファの二強対決というのが、現時点での見立てである。


■総論×各論・先週の馬券回顧




京都11レース 日経新春杯(G2)
1着 01レーヴミストラル
2着 07シュヴァルグラン
3着 10サトノノブレス

なにこのネタみたいな馬券。
……いや、真面目に考えた結果なんですけどね(赤面)。「シュヴァルグランとレーヴミストラルの二強」という見立てやダービーフィズの軽視など、述べた見解自体は大正解。それなのに、こんな馬券で勝負しちゃう自分が、もうね! 馬連だと配当が低くてツマランとか思った、レース前の自分をドツキ回したい。

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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