◆明らかにおすすめというステップはない AJC杯は有馬記念から来る有力馬がいればいちばん堅いのだが、今年は不在。そのぶん他のローテで来る馬にチャンスがあるのだが、明らかにおすすめというステップはないのでそこが難しいところだ。
将来性ということでは明け4歳の
サトノラーゼンが注目の存在だろう。菊花賞については特殊な距離であり、それでも5着なので問題はないと思う。ただこのレースは人気の4歳馬がとりこぼすケースが多く、この馬自身は同コースのセントライト記念で人気を裏切ってもいる。そこを考えると軸には推しづらいところだ。
ディサイファは、相手関係で着順が決まるタイプで、GIでは苦しいがGIIなら常にチャンスはある。このレースでは昨年11番人気だったが当時より近走内容は良いし、特に今回3〜4番手につけてくれるなら好走を期待できると思う。
先行タイプといえば
マイネルフロスト。中山中距離は明らかに合うので今回もなんらかのシルシは必要だが、中山金杯については展開にかなり恵まれた面もある。その着順をベースに人気が決まってしまうので、まずはどの程度のオッズになるのか観察していかなければならない。
逆に中山金杯組では
ライズトゥフェイムを忘れないようにしたい。今回と同じ56キロで、前残りの流れを最後詰めてきての4着は悪くない内容だ。ただ、もう一度差し遅れるという可能性はもちろんある。「もっと溜める」ではなく、可能な範囲で取れる位置取りを取ってほしい。
スーパームーンは最近の位置取りがこのレースに向いている一方、別定GIIでの好走歴が無いは懸念材料。買う場合、地力で好走してもらおうというよりは、流れに乗ってくれることを期待したい。
ショウナンバッハは強い調教をせずにJCを使っただけに、そのような状況からすぐではなく、間隔を置いての出走になっていること自体は良い。ただ、後方から上がり最速を出しつつ届いたり届かなかったり……というこの馬のスタイルは中山向きとは言いづらい。
同じショウナンの
ショウナンマイティのほうは格の面では今回最上位クラス。1年半の休み明けであることに目が行ってしまうが、この馬も中山が合うかは微妙なところ。中山を走る場合2000mより2200mのほうがよいとは思うが、今回は試運転的な側面もあり、「あって3着」くらいの評価でよいのではないだろうか。
ショウナンマイティの、8歳という年齢自体はこのレースにおいては問題ない。過去10年でも、勝ち馬こそいないものの2,3着馬は出している。そう考えると複穴で面白いのは
マイネルメダリスト。柴田大知騎手とこのコースの相性もよい。直線だけ差す形だと届かないだろうが、道中緩んだところを捲るか押し上げる形になれば良い着順につながる。
ヤマニンボワラクテは安定した位置取りが魅力。鞍上も前走でこのコースを経験しているし、厩舎に勢いもある。問題はクラスの壁。AJC杯はオープン特別組とGIII組の間にも成績差があるレースなので、準オープンを勝ち立ての馬には容易でない舞台だ。
もう1頭、馬券上の関心ということで挙げておきたいのが
スズカデヴィアス。冬場の2200mといえば昨年の京都記念を思い出す。格上でかつ先行タイプという馬が少ない今回のメンバー構成だけに、積極的にいけば好結果に繋がる可能性がある。