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今年は上位拮抗の難解な一戦!/函館スプリントS

  • 2016年06月15日(水) 18時00分

■函館スプリントS(G3・函館芝1200m)フルゲート16頭/登録17頭


【コース総論】函館芝1200m Aコース使用

・コースの要所!

★4〜6人気や7〜9人気など中穴が好成績。思いきった穴狙いもアリ。
★内枠である馬番1〜4番が猛烈に強いコース。内枠有利&外枠不利。
★直線の短い平坦コースで先行勢有利。勝ち馬は先行馬がほとんど。






 けっこう堅いイメージのある函館芝1200mだが、16頭立ての平均配当は単勝1295円、馬連7804円、3連複2万7421円と意外なほどに高水準。人気別成績をみても、4〜6番人気や7〜9番人気の穴馬が非常に強い。さらにふたケタ人気馬も侮れずと、人気サイドを信頼するよりも、思いきった穴狙いのほうが好結果を呼び込めるコースである。

 枠番は明確に内枠有利&外枠不利。平坦&小回りというオーバルなコース形態を考えれば当然の結果で、単純な内外の比較においても、内が外を圧倒している。なかでも注目は馬番1〜4番で、複勝率25.1%、複勝回収率93%、枠番値プラス0.6という素晴らしい内容。枠番についてはシンプルに「内であればあるほどいい」と考えたい。

 そして脚質も、圧倒的に先行勢が優勢。4コーナーを5番手以内で回った馬が35勝と、全体の約4分の3を占めている。回収率の高さも文句なしで、軸足を置くべきは間違いなく先行勢。4角先頭の馬が[15-2-4-26]とそのまま押し切る確率が非常に高いのも、このコースの大きな特徴といえる。

【レース総論】函館スプリントS(G3) 函館過去10年(9回)

・レースの要所!

★上位人気の信頼度は総じて低め。4〜6人気から振り回すのも面白いレース。
★内枠が強いが平均人気の差を考えれば当然。外枠も決して悪くはないはず。
★コースデータよりも格段に差せる。最速上がり馬は複勝率80.0%をマーク。
★芝1400mからの距離短縮組が好調。牝馬の強さや前走上がりも要チェック。









 コースデータと同様に波乱傾向がけっこう強い、函館スプリントS。昨年は14番人気のアースソニックが2着に、12番人気のレンイングランドが3着に激走して、3連単94万馬券という大波乱となった。人気別成績を見ても、上位人気馬の信頼度は並み以下。4〜6番人気あたりから入って、ブンブン振り回してみるのも面白い。夏場のレースらしく、牝馬が[4-3-4-25]で複勝率30.6%、複勝回収率166%と強いのも、大きな特徴だ。

 枠番については、コースデータとはいささか異なる傾向が見てとれる。内枠である馬番1〜4番が非常に強いのだが、平均人気の高さを考えれば、これは当然の話。内外で比較したデータでは、平均人気に2.7もの大差があるにもかかわらず、複勝率の差は3.5%しかないのである。内枠が過剰に人気しているのは間違いなく、妙味を追うならば、枠番を気にしないスタンスのほうがいいかもしれない。

 また、脚質面もコースデータとは傾向が異なっている。先行勢が優勢ではあるのだが、4コーナー5番手以内から好走しているのは、人気サイドばかり。人気薄で激走した馬は、差しや追い込みの競馬で上位に食い込んでいる。つまり、人気馬は先行勢を、穴馬は差し〜追い込み馬を狙うのがベター。最速上がり馬が連対率60.0%、複勝率80.0%と非常に強いことからも、コースデータよりも差せるレースであるのは間違いない。

 ぜひ意識しておきたいのが、芝1400mからの距離短縮組の強さだ。出走数は17回と少ないのだが、[4-1-2-10]で複勝率41.2%、複勝回収率254%と鬼のような好成績。人気サイドが強い前走芝1200m戦出走組と違って、人気薄でもガンガン上位に突っ込んできている。あとは、前走での上がり3F順位が「4位以下」の馬が儲かるというのも、覚えておいて損はないデータである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 開幕週のスーパー良馬場であり、前はそうそう止まらないはず。

・天候予測
 木〜金曜日に降雨があるも土曜日には回復。含水量が相応にある良馬場か。

・注目血統
 ファルブラヴ産駒◎、ゼンノロブロイ産駒○、スタチューオブリバティ産駒▲、フジキセキ産駒△、ストーミングホーム産駒△

 昨年の夏以来となる函館開幕週であり、最高の馬場コンディションでのスピード比べになるのは確実。重賞なので道中のペース次第とはいえ、そうそう前が止まるとは思えず、基本的には前&内有利の馬場となりそうだ。この中間に降雨がありそうだが、土日ともに晴れる予報で、日曜日には良まで回復しそう。ある程度の水分を含んだ良馬場で、意外にパワータイプが活躍する馬場となるかもしれない。

 血統面では、ファルブラヴ産駒をトップ評価。勝率の高さ、単勝回収率の高さのいずれも特筆に値するレベルで、この血統にしては珍しく「牡馬のほうが強い」というのも特徴といえる。あとは、ゼンノロブロイ産駒やフジキセキ産駒、ストーミングホーム産駒なども好成績。出走数は少ないが、アクティブミノルなどが[4-2-1-9]と好成績を残しているスタチューオブリバティの産駒も、要チェックである。

★出走登録馬・総論×各論

 かなり波乱傾向が強いレースであるのは、ここまでの内容でも解説した通り。ここ3年は1番人気がすべて4着以下に沈み、馬単はすべて200倍以上の高配当となった。今年も人気サイドの過信は禁物で、バットを長めに持ったほうがいいのは間違いないはず。最終的には枠番やオッズも加味しつつ、破壊力のある買い目を構築したいところだ。

 トップ評価は、昨年の覇者でもあるティーハーフ。前走が最速上がりというのがマイナス材料だが、それ以外のファクターではことごとくプラス評価という、非常に買い材料の多い一戦となった。展開待ちの馬なのでアテにはしづらいが、末脚の破壊力はピカイチ。あとは、ハイペースでの前崩れを願うだけだ。

 二番手評価にオデュッセウス。こちらも、前走最速上がりであることや3歳馬であることなど買いづらい側面はあるが、血統面やローテ、斤量など、プラス評価となった項目の多さはかなりのもの。前走の橘Sも非常に強い内容で、古馬との初対決でも決して侮れない存在である。中穴人気となるなら、なおさら面白そうだ。

 三番手評価にアクティブミノル。函館2歳Sを逃げ切っている舞台であり、前走の高松宮記念では強敵相手に4着好走と、久々に「らしさ」を見せた。アテにしづらいムラっ気のあるタイプではあるが、差す競馬で好走できたように、気性面もここにきてかなり成長。ここなら、上位に食い込めておかしくないはずである。

 四番手評価がオメガヴェンデッタ。函館の芝1200mで準オープンを勝ち、札幌のキーンランドCでも4着に好走と、洋芝適性の高さが感じられるのは大きな強み。重賞は未勝利だが、短距離のトップレベルと張り合ってきた実績は、ここでは上位である。大きく割り引くファクターがあるとすれば、1番人気になりそうな点くらいのもの。あっさり勝っても何の不思議もないプロフィルの持ち主である。

 以下はエポワス、ローレルベローチェ、レッツゴードンキ、スカイキューティーという評価の序列。とはいえ、各論でも述べているようにどの馬も「盤石」ではなく、とんでもない人気薄が激走する可能性もある。「内枠から前に行ける人気馬」と「外枠から差せる人気薄」を、どのように組み合わせて買うかが非常に難しい一戦。オッズもかなり割れそうで、レース直前までウンウンと悩みつつ楽しみたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




東京11レース エプソムC(G3)
1着 18ルージュバック
2着 16フルーキー
3着 13マイネルミラノ

……もうマジで死んじゃうってばよ(#^ω^)
評価順位1〜5位でキッチリ決まっているというのに、買ったのは1〜3位の馬番ボックス。この馬券下手はもう、3回くらい死なないと直らない気がしてきた。宝塚記念までには一発ぶちかましたいところですが、この調子だと厳しいだろうなあ(諦観)。

※コースデータと血統データは2012年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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