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下克上というケースは意外と少ない函館記念だが…

  • 2016年07月15日(金) 18時00分


◆レッドレイヴンの取捨は悩ましい

 函館記念はハンデ重賞だが、ハンデが効いて下克上というケースは意外と少ない。ただ、だからといって格上タイプが強いというわけではなく、展開などで取りづらい穴が出るので厄介だ。また、巴賞組は前走着順と今回の結果が結びつかないのでそこに注意する必要もある。

 まさに巴賞勝ち馬で人気になりそうなのがレッドレイヴンで、この馬の取捨は悩ましい。前走が57キロで完勝、今回は勝ってきても斤量据え置きなので神経質にならずそのまま評価してもよいのかもしれない。ただ、過去の巴賞好走馬は理屈で説明できないくらい崩れるときは崩れてきた。個人的には△でお茶を濁したいし、目をつぶって消す手もあるかと思う。

 巴賞組は、2〜4着が僅差だったので、2着だったマテンロウボスよりも敢えて3,4着のツクバアズマオーフェイマスエンドを評価する手もあると思う。あるいはもっと下の着順からケイティープライドオツウ。巴賞が差し決着だったので、今回前残りになるほうが全体に配当は伸びる。それを期待するなら後の2頭だ。

 函館記念は前走GI組が意外と振るわず、GII・GIII組のほうが結果を出している。さらにGII・GIII組については前走着順が良いほうが走っているので、マイネルミラノネオリアリズムには重いシルシを打ちたい。

 マイネルミラノは昨年2番人気8着だったが、当時はこの脚質での大外枠が響いた。今年は6番枠を引いて再チャレンジ。昨年よりはオッズ的にも魅力が出るのではないだろうか。

 ネオリアリズムは先行に含みの残る差し馬という点が、このレースに合っている。鞍上のティータンは達者な騎手だが、初めての函館コースをこなせるか。単純に小回りだから位置を取りにいこう、くらいの乗り方をしたほうが結果に繋がると思う。

 ダービーフィズは昨年の覇者だし、このレースで強い前走からの斤量増組。ただ、昨秋のGIで燃え尽きてしまったのか、最近のレースぶりがあまりに冴えない。前走の15着もちょっと負けすぎのように思う。
 
 バイガエシは前走が同コースで圧勝だが、今回は二階級特進か、それ以上相手が強くなる競馬。父のジャングルポケットはこのコースに合っているが、そういった要素を考えても通用するかは微妙なところ。分からないときはオッズ次第と考えた場合、けっこう売れそうな今回は手を出しづらい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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