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実は買いづらい「コース巧者」

  • 2016年07月26日(火) 12時00分


「分かりやすすぎて過剰人気に」ということも…

 アイビスサマーダッシュは名物レースであり、ファンの人気も高い。

 そのアイビスSDで悩むのが、コース巧者を素直に買えばよいのかどうかという問題だ。直線芝1000mというのは独特の巧者を生むが、ファンもコース着度数を参考に馬券を買うので、好走歴のある馬=期待値も高いとは限らない。「分かりやすすぎて過剰人気に」ということもありうる。

 今年はこのコースで馬券に絡んだ歴のある馬が登録18頭中9頭。うち3頭は4回以上走って複勝率100%だ。

 クラスを無視した話になるが、「1000直好走馬がまた1000直に出走した場合」というデータを見てみたい。

 2001年のコース創設以降、新潟芝1000mで3着以内した馬が、また同じコースに出走したケース(複数回好走している場合、いちばん古いレースを起点とする)は1540レース。その回収率は……単59%・複66%と実は低い。昇級が絡むことが多いとはいえ、穴が出ていればもう少し数値も整うはず。思った以上に低い。

 ただ、1回だけ好走した馬はそもそも適性がさほどでもないという可能性もある。「2回以上好走した馬の2回目」を起点にした場合はどうだろうか?

 該当レースは625レース。回収率は単63%・複62%。やはり低い。ちなみにコース創設以来通算の全馬均等買い時回収率は単72%・複74%なので、それよりも低いということになる。つまり、1000直は「1000直で好走はしてないけど、実は適性がある馬」を探さねばならないということになる。まさに虎穴に入らずんば虎児を得ず、の意気込みで予想しなくてはならないのだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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