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大波乱を前提に振り回しまくれ!/新潟2歳S

  • 2016年08月24日(水) 18時00分

■新潟2歳S(G3・新潟芝1600m外)フルゲート18頭/登録19頭


【コース総論】新潟芝1600m外 Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気が高信頼度。人気薄は7〜12番人気を着順固定で狙いたい。
★もっとも好成績なのは中枠も、枠番による影響は弱めのコース。
★イメージほどには差せない。中団やや前がベストなポジションか。






 先々週の関屋記念でも扱っている、新潟芝1600m外。18頭立てにおける平均配当は、単勝1373円、馬連5495円、3連複4万2386円と、低くもなく高くもない水準である。1番人気が勝率30.3%と非常に強いコースなのだが、2〜3着に人気薄が突っ込むケースが多いのは、データをご覧の通り。7〜12番人気の好成績を見てもわかるように、ヒモ荒れ傾向が強いコースといえそうだ。

 枠番別成績では、内外による大きな成績差はナシ。一応はセンター枠番である馬番7〜12番がもっとも好成績なのだが、連対率にして2.5%、複勝率では5%前後と、そこまで大きな差というわけではない。勝率に関しては内枠や外枠のほうが高いのもあり、誤差の範囲と考えていいはず。外枠に入ったからといって、悲観する必要はまったくない。

 いちばんイメージと異なるのが脚質面だ。最後の直線が長く、いかにも差しが決まりやすそうな印象だが、もっとも期待できるのは、4コーナーを6番手以内で回った先行勢。差しも相応に決まってはいるのだが、勝率、連対率、複勝率のいずれも「先行>差し」という結果が出ている。好位〜中団やや前あたりがベストポジションである。

【レース総論】新潟2歳S(G3) 過去10年

・レースの要所!


★1番人気が複勝率70.0%と好成績も、やはりヒモ荒れ傾向が強い印象。
★コースデータと同様に枠番による影響は小さい。外枠でも問題なし。
★脚質は完全に差し優勢。最速上がり馬は勝率60.0%、連対率90.0%!
★前走、芝マイル戦で上がり2位以内の馬が強い。前走オッズも要確認。









 平均配当は、単勝738円、馬連1万2979円、3連複5万6983円。単勝平均の低さに対して、馬連平均や3連複平均が非常に高いのが特徴で、コースデータでも見られた「ヒモ荒れ傾向の強さ」が、さらに加速している。過去10年の2着馬のうち、じつに6頭までがふたケタ人気の超穴馬。人気馬から人気薄へと流す3連単や3連複での勝負が面白そうだ。

 枠番別では、やはりセンターである馬番7〜12番がもっとも好成績。内枠の複勝回収率が高いが、枠番値がマイナス0.5と低いことから、そこまで信頼は置けない。外枠の成績がイマイチだが、人気どおりの着順には来ているワケで、枠番の内外による差はほとんどないと考えるべき。重視すべきは、枠番ではなく「脚質」のほうだ。

 コースデータと傾向が大きく異なるのが、脚質別成績である。4コーナーを13番手以下で回った追い込み勢が[5-4-2-39]ともっとも好成績というのは、きわめて異例の結果といえる。未完成の2歳馬限定戦でもあり、スタミナ不足や集中力の欠如などで、先行勢がまったく粘れていない様子。最速上がり馬の[6-3-0-1]という好成績からも、ここは完全に差し優勢と考えるべきだ。

 というわけで、注目したのが「前走での」上がり3F順位である。このレースで好走した馬のほとんどが、前走で最速上がりをマーク。最低でも2位以内であるのが、好走の必要条件といえる。ちなみに、今年の登録馬で「前走最速上がり」という条件を満たすのは、19頭中8頭。上がり2位が6頭、3位以下が5頭となっている。

 前走での上がり3F順位が2位以内だった馬に限定したデータも用意した。前走距離別で見ると、圧倒的に強いのが前走芝1600m組で、連対率30.0%、複勝率40.0%をマーク。逆に、意外なほど弱いのが芝1800mからの距離短縮組で、ここを狙うのであれば、芝1400mからの距離延長組を狙ったほうが期待できるはずだ。あとは、好走馬のほとんどが前走で新潟、東京、中京といった「左回り」のコースで出走している点にも注目したい。

 前走での上がり3F順位が2位以内だった馬は、前走での単オッズも要チェック。「前走単オッズ1倍台かつ上がり順位2位以内」という条件を満たす馬は、トータル[3-2-2-9]で連対率31.3%、複勝率43.8%、複勝回収率210%という、素晴らしい結果を残している。今年の登録馬でこの条件を満たすのは、まったく人気がなさそうなマイネルパラディだけである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Aコース継続。先週は土曜日→日曜日で、さらに差せる馬場へとシフトした印象。

・天候予測
 週末にかけて天候は下り坂。土日に降雨があり道悪となるケースもありそうだ。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、プリサイスエンド産駒○

 夏の新潟開催も残すところ2週。馬場にもさすがに傷みが見られる状況で、先週の日曜日はいかにも新潟芝という、差しが決まりまくるコンディションだった。引き続きAコースでもあり、バイアスに大きな変化はなさそう。ただし、週末にかけて天候が下り坂で、土曜日あたりに降雨がありそうなのは意識しておきたい。

 血統面では、コレといって目立つ存在が見当たらない。一応はディープインパクト産駒をトップ評価としたが、1着13回に対して2着22回と取りこぼしが目立っているように、コース適性が「ものすごく高い」わけではない。適性の高さをハッキリと感じられるのは、信頼度&回収率がともに優秀な、プリサイスエンド産駒くらいのものだ。

★出走登録馬・総論×各論

 札幌でWASJシリーズが開催されるのもあり、ジョッキーの面でも大混戦となりそうな、今年の新潟2歳S。現在netkeiba.comでの予想オッズは、1番人気がイブキで3.1倍、2番人気がモーヴサファイアで3.8倍となっているが、レース当日はさらに混沌としたオッズとなりそう。傑出した馬も見当たらず、例年以上に荒れる可能性もありそうだ。

 トップ評価は、まるで人気がなさそうなウインシトリンだ。東京芝1600mの牝馬限定戦を中団から最速上がりで差し切って、このレースに繋がる内容で勝ち上がってきた。430キロ前後の小柄なステイゴールド牝馬だが、センスのよさが光る内容で、ゆったりしたローテで使われる点も好印象。決して侮れない存在といえる。

 二番手評価にモーヴサファイア。こちらは中京の芝1600mを好位から押し切る内容で勝ち上がっており、兄にブラックスピネルがいるという確実性の高い血統でもある。長くいい脚を使えそうなタイプだけに、ガチの瞬発力勝負になると分が悪いかもしれないが、今年の登録馬で素質上位であるのも間違いなし。相応の評価が必要だ。

 三番手評価にマイネルパラディ。「前走上がり3F順位が2位以内かつ前走単オッズ1倍台」という好走条件を満たす唯一の存在で、デビュー戦や2戦目では最速上がりをマーク。この血統ならば距離延長はプラスに出る可能性が高く、タメればかなりのキレを発揮するかも。人気薄での激走をぜひ期待したい1頭である。

 四番手評価にブライトンロック。新潟芝1400mの新馬を最速上がりで中団から差しきった内容は上々で、距離延長にも十分に対応可能。前走新潟組というのもプラス材料で、いかにも穴っぽい血統も大混戦だけに面白い。うまく中団で折り合いをつけられれば、一気の脚でアタマまで突き抜けるかもしれない。

 ここまでの4頭が上位評価組で、以下はグリトニル、オーバースペック、マイネルバールマン、ヴゼットジョリー、キャスパリーグという評価順。芝1800mからの距離短縮組であるイブキとアピールバイオや、前走上がり3F順位が3位以下であるサンライズソアは、かなり評価を割り引いた。ここは「荒れて当然」というスタンスで、かなり振り回した馬券で勝負してみたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




札幌11レース 札幌記念(G2)
1着 13ネオリアリズム
2着 15モーリス
3着 02レインボーライン

逃げるなら逃げると言って(#^ω^)
まあ、外枠を引いたモーリスも「消し」で勝負したので、どっちみち当たらないんですけどね(悟り)。3〜5着の馬単ボックスではまるで惜しくないので、せめて2〜4着の馬単ボックスを買えるように精進していかねば。。。

※コースデータと血統データは2012年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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