スマートフォン版へ

ダービー大敗組の重要性

  • 2016年09月13日(火) 12時00分


ダービー組の回収率、複勝率は他の路線に比べるとかなり高い

 セントライト記念といえば、まず注目を浴びるのが前走ダービー組。休み明けのリスクと能力の高さとどちらが上回るのかという議論でいうと、基本的には後者で考えたほうが良さそうだ。

 過去10年、ダービー組の成績は[5-4-2-15]。回収率は単161%・複118%となっている。これは昨年のキタサンブラック・ミュゼエイリアンが効いているのだが、複勝率の42.3%自体も、他の路線に比べるとかなり高い。

 これを過去20年に拡大しても、成績が[8-7-5-28]、複勝率が41.7%、回収率が単122%・複100%だから、傾向としては変わらない。ただお気づきのように、ダービー組なのに回収率が伸びるということは、「負け組を狙う」ということも必要になる。

 過去20年で見ると、前走ダービー1〜5着馬は[4-3-1-6]で複勝率57.1%。回収率は単72%・複100%。それに対し6着以下馬は[4-4-4-22]で複勝率35.3%。回収率は単142%・複101%。本命党なら前者で十分だが、穴党ならば後者の中からおいしい馬だけを抽出したくなるところだ。そもそも、この6着以下組でも前走GII以下組よりはずっと好成績でもある。

 詳しいデータをご紹介する余裕はないが、6着以下組については、「ダービーでの着差は無視してよい」「キャリア7戦以下だと特に有望」「ダービーで先行してタレた馬は有望」といった傾向がある。

 キャリアについては今年の3頭はすべて満たすので、「敢えて着差の大きいほう」「ダービーで先行した」ということを考えると、マウントロブソンよりプロフェットとプロディガルサンのほうが良く見える。血統的にはプロフェットがロングスパート巧者、プロディガルサンは3Fの上がり勝負歓迎。展開をどちらで読むかによって、この2頭のうち1頭を買い目に組み入れてはいかがだろうか。

【予想】須田鷹雄の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング