スマートフォン版へ

天皇賞・秋、有力馬のポイントと「少し気になる二頭」

  • 2016年10月28日(金) 18時00分


◆エイシンヒカリがいることで“得する馬”と“損する馬”

 今年の天皇賞秋、一番人気はモーリスだろうか。札幌記念の2着は展開のアヤだし、ノーザンファームが距離適性を見誤ってくることはないはず。今回はエイシンヒカリがいて持続力型のラップになりそうだし、そうなると上がり勝負特化のサンデーサイレンス系よりもなんだかんだいってロベルト系のこちらが得をする可能性はある。鞍上がどのような乗り方をするかも含め、楽しみな一戦だ。

 ルージュバックはGI勝ちがないので過去に天皇賞秋で馬券に絡んだ牝馬にくらべるとやや実績不足のところはあるが、東京コースは適性がありそうでそこは魅力。狭くなる競馬を避けたい馬なのでほぼ真ん中という枠も良かった。

 エイシンヒカリは1番枠を引いたし、ロゴタイプがちょっかいを出してくる可能性を考えたら強気に行かざるをえないだろう。昨年の消化不良を考えたらなおさらだ。もともとラップに抑揚をつけないタイプで、今回もそのような競馬をすることは必至。この馬自体がどんな結果になるかはやってみないと分からないのだが、この馬がいることで得する馬・損する馬が出る面は確実にある。損をするのは上がり特化型の馬で、まあルージュバックも得はしないだろうが、いちばん損をするのはアンビシャスではないかと見ている。逆にアンビシャスは、前が流れるなら腹をくくって最後方待機、自分だけは自分のラップを踏むという競馬に徹したほうがよいと思う。

 リアルスティールは、毎日王冠を回避したからというのではなく、夏の間から順調な調整に見えないところがあった。今回は乗り替わりのほうに注目がいくが、テーマはやはり状態だと思う。あと重賞テン乗りのデムーロは意外と機能しないときもあるので、個人的には△くらいでごまかしておきたいところだ。

 ステファノスは昨年複穴になっているし期待したいのだが、前走のラップで掲示板が一杯だったのは少し気になる。先述したように今回はエイシンヒカリの存在によって、上がりタイムはかかる方向性になる。その中でどれだけ存在感を発揮できるか。

 逆に、得をするのではないかと思うのがロゴタイプだ。安田記念は実質超スローまでいって自身が逃げていたので勝ったが、血統的には持続力型で、抑揚の少ないラップか、上がりがかかるほうが向くはずだ。そもそもこの馬の皐月賞もそういうレースだった。

 ラブリーデイは前走で健在ぶりを見せたが、京都大賞典→天皇賞秋は近年結びついていないコース。また、昨年の勢いがすごすぎたので、どうしてもそれと比べると重いシルシを打つ気になれない。ただ、実力馬ではあり、馬券の対象になる可能性はあると思う。

 個人的にシルシを回すには至らなかったが、少し気になるのがサトノの二騎。サトノノブレスはこのレースと相性の悪いオールカマー組だが、「キレないディープ」なのでエイシンヒカリが作るペースは向きそう。サトノクラウンは、宝塚記念からの直行という臨戦過程が良いのだが、他に該当馬がいないので自動的にこの馬ということになる。

【予想】須田鷹雄の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!
※PC・スマートフォンよりご覧ください。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング