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目の前の敵を射る──川田将雅の迷いなき野望 (前編) 〜1000勝特別インタビュー〜

2016年11月17日(木)18時01分

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ダービー制覇、1000勝達成、自身重賞最多勝利更新──川田将雅にとって、2016年は特別な年となった。しかも、1000勝到達はあの武豊に次ぐスピード記録。着々と腕を磨き、脇目もふらずに上り詰めてきた証だろう。ジョッキーとなり12年半。はたして川田をここまで駆り立ててきたものとは何なのか。闘志の源に迫った。(取材・文=不破由妃子)


天才・武豊に次ぐスピード記録


 9月11日、阪神6R(3歳未勝利)。ラブアンドドラゴンとともに、川田将雅が自身1000回目となるトップゴールを駆け抜けた。デビューから12年6カ月5日目での大台到達は、武豊(8年4カ月23日)に次ぐスピード記録として大きく報道された。

「豊さんに次ぐ2番目の早さだったということは、新聞の記事で知りました。自分としては、これまで乗せていただいてきた馬たちの能力を考えると、正直、時間が掛かったな…という印象だったので、ちょっと意外でしたね」

 900勝目を挙げたのが、昨年の12月5日(中京2R・3歳上500万下・ワイルドダラー)。それまで彼にとって節目の数字は単なる通過点に過ぎなかったが、このときばかりは「次(1000勝)は違う」と、早くから“そこ”を見据えていた。

「900勝に到達したとき、その事実よりも“次は1000だ”ということを強く意識しましたね。やはり桁が変わるというのは大きいこと。1000勝を迎えたときは、800勝や900勝のときとはまったく違う気持ちでした」

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▲「1000勝を迎えたときは、800勝や900勝のときとはまったく違う気持ちでした」(C)netkeiba.com


 1000の壁を超えたのは、川田を含め、史上31人、現役では14人。浮き沈みの激しいジョッキー界において、誰もが易々とたどり着ける場所ではない。そこに、早くから天才の名を欲しいままにしてきた武豊に次ぐスピードで到達した。これは本当にすごいことだ。

 いったい“川田将雅の強さ”とは何なのか──。

 いうまでもなく、ジョッキーとは騎乗依頼があって初めて成り立つ仕事。今の時代でいえば、エージェントの尽力を筆頭に、周囲の人間の支えがあってこそである。ただ、川田は競馬(佐賀)一家の出自ながら、中央競馬には血縁というパイプを一切持たない。よって、そのパイプを持つジョッキーたちとはスタート地点が違ったのはもちろんのこと、傍目には不遇にすら映った。...
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