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人気2頭はいずれも高い潜在能力を秘めている阪神JF

  • 2016年12月09日(金) 18時00分


◆牝馬は早い時期に有力馬が出そろいやすい

 個人的な持論だが、牝馬は仕上がりが早いこともあり、早い時期に有力馬が出そろいやすい。今回の一戦で来年のクラシックへ向けた結論が半分くらい出る可能性もあり、注目しておかなければならないレースだ。

 人気2頭はいずれも高い潜在能力を秘めている。ソウルスターリングは緒戦こそぎりぎりの勝ち方だったが、2戦目は完勝。距離短縮で臨む形も、買う側としては安心感がある。中間は少し体が減っているのかと思ったが、木曜が前走と同じ480キロ。輸送で大きく減らさなければ戦える態勢になる。

 リスグラシューは、今後有力ローテになりそうなアルテミスSからの参戦。時計への対応力もあり、決め脚もある。今回は極端な枠を引いてしまったことだけが気がかり。しかし旧コース時代の阪神に比べれば問題ないし、いまの1600mは外枠のほうがむしろ微妙に好成績。中途半端な外より最後に入れる大外のほうが良い面もある。

 ジューヌエコールは3連勝のわりに先述2頭の陰に隠れるような形になっている。自在性もあるし、早めの競馬をして人気2頭を突き放すような競馬に持ち込みたい。

 レーヌミノルは牝馬に負けていないし、変則的な調教になった小倉2歳Sが完勝だったように、非凡な能力の持ち主。ただ、距離延長で初距離というのはやってみないと分からない面もある。血統の字面だけならこなせそうだが、軸というよりは重要なヒモ馬というイメージ。

 ディーパワンサは馬場と展開次第の面があると思う。展開についてはトータルの時計か速くなりすぎないほうがいいだろうし、内枠からさばけるかどうかという物理的な面もある。

 ヴゼットジョリーは重賞勝ち馬にしては人気にならなさそう。確かに夏重賞の勝ち馬は評価が難しい面もある。新潟2歳S時は33.2秒の上がりで勝っているがこれは新潟ゆえの数字でもある。今回は上がりのかかる展開で前が崩れるのを期待したい。

 アリンナは連勝中でもありちょっと期待したくなるのだが、逃げ馬と初距離が問題。オープン経験がないことについては、このレースでは問題にならない。

 サトノアリシアは前走でついた着差を考えるとちょっと厳しい一戦。もし前走の敗戦が位置取り+ペースによるものだったとしたら少しだけ可能性がある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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