地方競馬に吠える!/斎藤修

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中央・地方の溝を埋めるには…

2016年12月23日(金)18時00分

注目数:28人


◆寂しいメンバーと言わざるをえない地方勢

 22日付、TCK特別区競馬組合からのリリースで、29日に行われる東京大賞典の陣容がほぼ固まった。

 地方馬は出馬投票の25日まで補欠から繰り上がりの可能性があるが、今年から6頭から7頭に増えた中央枠(ただし外国馬の出走がない場合)で選定されたのは、アウォーディー、アポロケンタッキー、カゼノコ、コパノリッキー、サウンドトゥルー、ノンコノユメ、モズライジン(五十音順)。アクシデントなどによる回避がなければそのまま出走となる。

 引退式も予定されていたというホッコータルマエの名前がないのはなんとも残念というほかなく、出走すればダート初挑戦となったラストインパクト、さらにチャンピオンズCで3着だったアスカノロマンが回避。当初登録の補欠からはカゼノコ、モズライジンが繰り上がった。

 それでもチャンピオンズCの1、2着馬、サウンドトゥルー、アウォーディーがいて、大井2000mのGI/JpnIを制した経験があるコパノリッキー(2015年JBCクラシック、2016年帝王賞)、ノンコノユメ(2015年ジャパンダートダービー)、カゼノコ(2014年ジャパンダートダービー)という、GI/JpnI勝ち馬が5頭いるというメンバーが揃った。

 対する地方勢は、GIとしては寂しいメンバーと言わざるをえない。ダートグレード実績があるのはハッピースプリントだけ。ほかには中央時代にダートGIIIで2着があるイッシンドウタイがいる程度。地方重賞を勝っている馬も近走の成績はイマイチで、重賞出走歴のない条件馬もいるほど。

 今年だけのことではないが、南関東のトライアルである勝島王冠が機能していないのが残念。その上位馬はすべて回避し、22日現在で選定馬となっているのは2桁着順だった馬ばかり。地方のトップクラスの馬たちの多くは、ダートグレードでは勝負にならないと見て回避し、出てくるのはその下のクラスの馬たち、というのは以前にこのコラムでも指摘したとおり。ますます中央・地方のレベル差の溝が深まっている。

 19日発行の『週刊競馬ブック』に、地方競馬全国協会・塚田修理事長のインタビューが掲載されていて、そこに興味深い内容があった。

「ダートグレード競走への有力地方馬の出走を促すため、インセンティブとして、地方競馬最先着馬に報奨金を出したいと思っています」というもの。

 最先着馬というだけでなく、地方馬で5着以内入着馬に報奨金ということでもいいと思う。とにかくこうしたことで、地方の有力馬を育てる必要はある。

 最初のうちは、その報奨金狙いで中央から地方に転厩して、ということもあるだろう。今年、中央からの転厩初戦で東京ダービーを勝ったバルダッサーレのような賛否の意見も出るかもしれない。しかしそれは過渡期ととらえ、地方にもダートグレードで勝負になりそうな有力馬を少しでも増やす方策は必要だと思う。
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コラムニストプロフィール

斎藤修
斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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