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ファリダットの半弟、フィドゥーシアの4分の3弟ジャンダル

2017年02月01日(水)12時00分

注目数:18人
 今回から2歳の登録馬も少しずつご紹介いたします。

≪2歳≫

マリアバローズ(牝 栗東・石坂正 父ディープインパクト、母チリエージェ)
 セントウルS(GII)、アイビスサマーダッシュ(GIII)、京阪杯(GIII)を制したハクサンムーンの半妹。母チリエージェはセントウルS(GIII)で5着の実績がある。「ディープインパクト×サクラバクシンオー」の組み合わせは、JRAで走った9頭からアデイインザライフ(16年新潟記念-GIII)、ブランボヌール(16年キーンランドC-GIII)と2頭の重賞勝ち馬が出ており相性は良好。本馬は母方にマルゼンスキーを抱えているのでアデイインザライフと配合構成が似ている。半兄ハクサンムーンはスピードタイプのアドマイヤムーンが父だったのでスプリンターとなったが、本馬の父は中距離タイプのディープインパクトなのでマイルあたりまで距離をこなす素地はある。

ラブミーボーイ(牡 栗東・村山明 父ゴールドアリュール、母ラブミーチャン)
 母ラブミーチャンは全日本2歳優駿(JpnI)、兵庫ジュニアグランプリ(JpnII)、東京盃(JpnII)など5つのダート交流重賞を制した砂の快速牝馬。母ダッシングハニーは、Northern Dancer 3×4、Buckpasser 4×4、Flower Bowl≒Your Hostess 4×5という多重クロスを持ち、そうして固定化された優れたダート適性を産駒に安定的に伝え、ラブミーチャンのほかにダブルスター(15年マイルチャンピオンシップ南部杯-JpnI・4着)を出している。本馬はラブミーチャンの初子。父ゴールドアリュールはわが国を代表するダートサイアーで、母方にHyperionとSon-in-Lawの組み合わせから成る血を入れると大物感のある子を出す傾向がある。本馬はGraustark(その母Flower BowlがHyperionとSon-in-Lawの組み合わせから成る)を抱えている。同じく母方にGraustarkを持つゴールドアリュール産駒にはエスポワールシチーやクリソライトといった大物がいる。ダート向きのマイラーだろう。

ジャンダルム(牡 栗東・池江泰寿 父Kitten's Joy、母ビリーヴ)
 半兄ファリダット(父Kingmambo)は重賞こそ勝てなかったものの、安田記念(GI)3着、阪神C(GII)2着など重賞で再三馬券に絡む活躍を見せた。4分の3姉フィドゥーシア(父Medaglia d'Oro)は芝短距離路線でOP入りを果たしている。母ビリーヴは短距離界の女王で、スプリンターズS(GI)、高松宮記念(GI)など4つの重賞を制した。引退後はアメリカに渡って繁殖生活を送っている。この一族のスピードは、2代母グレートクリスティーヌが持つ強烈な父母相似配合が源泉となっており、それゆえにビリーヴにはどんな種牡馬を交配しても中長距離をこなす子は生まれづらいだろう。父Kitten's JoyはMedaglia d'Oroと並ぶEl Pradoの最良の後継種牡馬で、米G1を5勝したステファニーズキトゥンをはじめ芝向きの一流馬を多数送り出しており、2013年に北米リーディングサイアーに輝いた。前述のとおり本馬はフィドゥーシアの4分の3弟。芝1200〜1600mあたりで本領を発揮するスピード馬になりそうだ。

プライムチョイス(牝 栗東・加用正 父ロードカナロア、母ファインチョイス)
 父ロードカナロアは現役時代、スプリンターズS(GI)2連覇をはじめ高松宮記念(GI)、安田記念(GI)など制した。香港に遠征して臨んだ香港スプリント(G1)では2連覇達成。2年目の勝利は2着以下に5馬身差をつける圧勝だった。世界のトップに比肩するハイクラスな香港のスプリント路線で、地元馬を含めてこれほどの能力を示した馬は稀で、もちろん日本における史上最高クラスのスプリンターだったことは疑いようがない。種牡馬としても成功するだろう。母ファインチョイスは函館2歳S(GIII)の勝ち馬。その全弟にアットウィル(16年アイビスサマーダッシュ-GIII・4着)、半妹にキャンディバローズ(15年ファンタジーS-GIII)がおり、牝系には活力がある。2代母アフレタータに施されたForeseer≒Poker≒Envoy 4×5・3がその源泉だろう。父母双方からスピードを受け継いだ本馬は芝向きのスプリンターで、仕上がりが早いので2歳戦から能力を全開する。どちらかといえば坂のあるコースよりも平坦コースのほうがいいタイプだろう。

≪3歳≫

フローラデマリポサ(牝 美浦・堀宣行 父Frankel、母Jeu de Cartes)
 父Frankelは英愛首位種牡馬8回の大種牡馬Galileoの最高傑作で、現役時代はイギリスのマイル路線を中心に走って14戦全勝(G1は10勝)の成績を残した。ワールドサラブレッドランキングでは史上最高の「140」というレーティングを獲得している。16年から走り始めた初年度産駒は好調で、ヨーロッパではQueen Kindly(16年ロウザーS-英G2)、Fair Eva(16年プリンセスマーガレットS-英G3)、Frankuus(16年コンデ賞-仏G3)、Toulifaut(16年オマール賞-仏G3)と4頭が重賞を勝っている。日本ではソウルスターリングが阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を制して2歳牝馬チャンピオンとなったほか、ミスエルテがファンタジー(GIII)を勝った。本馬は馬名登録をされた6頭目のFrankel産駒となる。母Jeu de CartesはニュージーランドのカウンティーズC(G2・芝2100m)の勝ち馬。ヨーロッパで重賞を勝ったFrankel産駒4頭のうち、Queen Kindly、Fair Eva、Toulifautの3頭はBlushing Groomのクロスを持っている(Fair Evaはその息子Rainbow Questクロス)。本馬はこれに当てはまる。Sadler's Wells≒Nureyev 3×3なのでパワーがあり、全体的に重厚さを感じさせる配合構成だが、日本の芝に対応可能な素軽さがあれば重賞クラスまで出世してもおかしくない。芝向きのマイラー〜中距離タイプ。南半球のオーストラリア産馬のため生まれは8月。そのハンディキャップを差し引いてもおもしろい存在で、デビューが待ち遠しい。
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コラムニストプロフィール

栗山求
栗山求
68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG