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英G1馬を母に持つディープインパクト産駒ヘリファルテ

  • 2016年09月28日(水) 12時00分
カラル(牡 栗東・佐々木晶三 父ルーラーシップ、母ナスカ)
「ノーザンテースト×ガーサント」の組み合わせは、ダイナカールとアンデスレディーという2頭の偉大な繁殖牝馬を生んだ。前者は女傑エアグルーヴ(年度代表馬)を通じて名牝系を築き、後者は3頭の重賞勝ち馬を出した。本馬にはダイナカール≒アンデスレディー3×2という大胆な組み合わせのクロスが施されている。ダイナカールとアンデスレディーの配合を厳密に記せば「ノーザンテースト×ガーサント+Nasrullah」となり、血量の16分の13まで同一。配合的な楽しみが大きい。4分の3姉にアロマティコ(13年エリザベス女王杯-GI・3着、12年秋華賞-GI・3着、14年クイーンS-GIII・2着)がいるので、前記の配合上のポイントだけではない信頼性の高さがある。5月13日生まれなので成長の余地があり、来年になればさらに良くなりそうだ。芝1800m以上で本領を発揮する。

ファンディーナ(牝 栗東・高野友和 父ディープインパクト、母ドリームオブジェニー)
 皐月賞(GI)で7着となったナムラシングン(父ヴィクトワールピサ)の半妹。同馬はMachiavellian≒Coup de Genie 3×3という大胆な全兄妹クロスが施されていたが、父がディープインパクトに替わった本馬にはそうした仕掛けはない。ただ、「ディープインパクト×Pivotal」はダノンジェラート(12年セントライト記念-GII・3着)とワールドインパクト(14年青葉賞-GII・2着)の兄弟と同じで、父と相性のいいMachiavellianの全妹にあたるCoup de Genieを持ち、Mr.ProspectorとNureyevの組み合わせも好ましい。母の父PivotalはNureyev系で、現役時代にナンソープS(英G1・芝5f)を制し、種牡馬としても自身に似たスピードタイプを送り出して成功を収めた。母の父としてはさらに素晴らしく、英愛ブルードメアサイアーランキングでは毎年上位を争う存在となっている。日本でも同じく母の父として成功し、先週の神戸新聞杯(GII)で2着となったミッキーロケットも母の父にPivotalを持っている。配合的には申し分のない馬なので芝中距離で期待できそうだ。

フォギーナイト(牡 美浦・堀宣行 父Tapit、母シャンパンドーロ)
 2015年のセレクトセール1歳で2億3000万円(税抜)の値がついた。母シャンパンドーロは現役時代、エイコーンS(米G1・ダ8f)、テストS(米G1・ダ7f)を制した一流馬。米三冠レースのひとつベルモントS(G1・ダ12f)を制したRuler on Iceの半姉でもある。2013年の米ファシグティプトンノベンバーセールで社台ファームが270万ドルで落札した。そのとき腹に入っていたのが本馬で、翌年春に同ファームで誕生した。父Tapitはいまアメリカで最も勢いのあるA.P.Indy系のトップサイアー。14、15年と2年連続で北米リーディングサイアーの座につき、16年も独走中なので3年連続でトップに立つのは確定的。種付料30万ドルは北米ナンバーワンだ。日本ではフェブラリーS(GI)を勝ったテスタマッタ、UAEダービー(首G2)を制したほかベルモントS(米G1)で3着と健闘したラニ、全日本2歳優駿(Jpn1)2着のタップザット、根岸S(GIII)2着のタールタン、UAEダービー(首G2)3着のゴールデンバローズなどが出ている。「Tapit×Medaglia d'Oro」は本場アメリカのダートで走らせたいスケールの大きなパワー型血統。ラニの路線を狙うのであれば楽しみだ。

ヘリファルテ(牡 美浦・堀宣行 父ディープインパクト、母シユーマ)
 母シユーマはサンチャリオットS(英G1・芝8f)、E.P.テイラーS(加G1・芝10f)の勝ち馬。母の父Mediceanは現役時代にエクリプスS(英G1・芝10f)とロッキンジS(英G1・芝8f)を制し、種牡馬としては中堅級といったポジションだった。ただ、「Machiavellian×Storm Bird」と日本でもよく知られた血で構成され、なおかつ堅い馬場を得意としたので、日本の芝にフィットしそうな血統構成ではある。母方にMachiavellianが入り、Haloクロスが生じるディープインパクト産駒なのでヴィルシーナ(13、14年ヴィクトリアマイル-GI)とよく似ている。母にMr.Prospector 3×4があるものの、重厚なデインヒルが入るので浮ついた感じはしない。Danzigを経由したNorthern Dancerクロス(5×5・5)は好ましい。芝中距離で大きな期待が掛かる。

ボーダーオブライフ(牡 美浦・金成貴史 父キンシャサノキセキ、母サクラサクII)
 母サクラサクIIはきわめて優秀な繁殖牝馬で、ヴィクトリアマイル(GI)と阪神牝馬S(GII)を勝ったエイジアンウインズ(父フジキセキ)のほかにエバーブロッサム(父ディープインパクト/13年オークス-GI・2着)、キュートエンブレム(父ウォーエンブレム/08年フローラS-GII・3着)、パッシングマーク(父エルコンドルパサー/06年ベンジャミンS-OP)などを産んでいる。本馬の父はキンシャサノキセキなのでエイジアンウインズの4分の3弟となる。父の最高傑作シュウジは母方にMr.Prospectorを持ち、His Majesty=Graustark 4×6というRibot系の全きょうだいクロスがスピードの持続力を支えている。本馬はMr.Prospectorを持ち、His Majesty 4×4なので配合構成が似ている。芝・ダート兼用のスピードタイプで、1200-1600mがベスト。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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