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2強対決と言われてきた天皇賞春

  • 2017年04月28日(金) 18時00分


◆馬券の狙い方はこの2頭のどちらを中心に据えるか

 2強対決と言われてきた天皇賞春だが、サトノダイヤモンドは外枠、キタサンブラックは内枠を引いた。

 この差は大きい。もちろん今年ガラっとレース展開が変わることもありうるわけだが、このところの天皇賞春は内枠先行馬にアドバンテージがあり、昨年などは外枠馬にはほとんどノーチャンスの競馬だった。
 
 サトノダイヤモンドはルメールの乗り方を考えると、一度はインに入れようと試みるだろう。京都外回りだから4角を回ればどこかしら捌けるだろうが、インに潜るまでにどれだけ下げることになるかが問題。いくら日本人騎手が甘いといっても、簡単に入れることはないはずだ。

 対照的にキタサンブラックは、自然とラチ沿いが取れる。ヤマカツライデンは大外枠でもハナへ行くだろうから、あとはラブラドライトタマモベストプレイあたりに気をつけていれば、ほぼベストの形で運ぶことができる。

 馬券の狙い方はこの2頭のどちらを中心に据えるかで、キタサンから入るならサトノは飛ぶところまで視野に入れてよいだろうし、サトノを買うというならここ数年の天皇賞のことは忘れて、外枠も含む差し馬重視でいくべきだろう。

 シャケトラは枠自体は良いところを引いた。後ろになりすぎないように気を付けたうえで、一か八かインを突くのが最善手だろう。上位人気の1頭ではあるが、変に責任感を出して外へ回るとチャンスを失う。

 シュヴァルグランは昨年の3着馬だが、もう1列前を取れていれば勝ち負けに絡むことができたはず。真ん中より内の枠で自然と壁もできるだろうし、スタートを決めたうえで積極的な位置取りの競馬になることを期待したい。

 ゴールドアクターは昨年ほどではないにせよ枠が悪い。輸送がイレ込みがと言われる馬だが、たとえベストの状態で競馬ができても、去年の展開で勝ち負けに絡むのは無理だったはず。今年は勢いが落ちての参戦だけに、ちょっと厳しいか。ただ鞍上に長距離実績豊富な横山典騎手を迎えたのはプラス要素になるかもしれない。

 逆に、タマモベストプレイに乗る形となった吉田隼人騎手としては、意地を見せたいはず。先行力はある馬なので、なるべく前・なるべく内を取って、ゴールドアクターに先着することを目指してほしい。

 アルバートはあまり成功していないダイヤモンドS組だが、ステイヤーとしての資質は高い。今回は完全テン乗りの川田騎手だが、それによっていままでと全く違う戦略が生まれてきたら面白いと思う。これだけスタミナの裏付けがあってあまり人気にならないというのは、馬券的には魅力がある。

 あと大穴狙いならラブラドライト。51キロで好走してきたあとの58キロなので常識的には買えないが、内枠先行馬にはとにかく注意が必要。ビートブラックやカレンミロティックも、レース前には狙えないと誰もが思った。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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