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ヴィクトリアマイルは阪神牝馬S組を重視

  • 2017年05月12日(金) 18時00分


◆阪神牝馬Sが1600mになった影響は大きい

 ヴィクトリアマイルはレース間隔をとってきた馬と前走1600m組が優勢で、隣接する1400mや1800mから来た馬の成績はあまり良くない。その意味で阪神牝馬Sが1600mになった影響は大きく、昨年も2頭が馬券に絡んだ。今年は牡馬相手のマイル重賞から来る馬が少ないので、なおさらこの組を重視しなければならない。

 ミッキークイーンは牡馬の超一戦級とも好勝負ができる馬だし、よほどのことがなければここでも勝ち負けだろう。ただ脚質的に惜敗リスクは常にある。買う場合はアタマ固定というより、なにかと組み合わせてマルチを展開し、順番違いの高めを目指したいところだ。

 アドマイヤリードはオークス以来の東京。当時はマイナス体重で大敗した。敗因がデキだったのか距離だったのかは分からないが、ガサのない馬なのでまずは輸送をクリアするところがポイント。当日の馬体重を見るまで手が出せないタイプなので、軸には据えづらい。

 ジュールポレールは今回の阪神牝馬S組の中では位置が取れる馬だし、相手なりに走れるタイプ。複穴としては意識しておきたい。

 大敗組で見直したいのはクイーンズリング。海外帰りの休み明けでプラス14キロ。466キロはデビュー当時のことを考えると丸々太かったわけではないだろうが、変動が大きかったのは事実。東京コースをこなせることは分かっているし、ヴィクトリアマイルは逃げ・先行馬のアドバンテージがある。巻き返しに期待したい。

 ルージュバックは試行錯誤が続いているが、いつGIを勝ってもいいポテンシャルがあることは間違いない。単純に考えても毎日王冠に勝ててこのメンバーに歯が立たないということはないはず。この馬が届く展開はミッキークイーンも来ているだろうから、本命党はその2頭軸でよいのではないだろうか。

 レッツゴードンキはすっかり差し馬仕様になっているが、同時に短距離仕様になっている可能性もある。高松宮記念からここというローテ自体は悪くないので、あとはどれだけ溜めがきくか。近走内容を考えたら昨年のことは忘れていいだろう。

 スマートレイアーは気が付けば9戦連続で5着以内をキープ中。いまやすっかり先行馬だが、このレースではそのほうが買いやすい。人気の追い込み勢が届かないシナリオに賭ける人はこの馬ということになるだろう。

 とんでもない穴としてオートクレールを挙げておく。先行馬はいても生粋の逃げ馬はいない今回。逆にいつも好位にいるが逃げはしないこの馬がハナかそれに近い競馬をしたら、ミナレットのときのようなことが起きるかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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