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戦国ムードが高まる今年のスプリンターズS

  • 2017年09月29日(金) 18時00分


◆実績各馬は状態面に不安で主役不在

 今年のスプリンターズSは主役不在。GI好走歴のある馬に状態面での不安が目立ち、さらに戦国ムードが高まっている。

 レッドファルクスは直前の状態・調教があまり強いアピールを示すものではなかったようだが、この程度はデータメインに予想している者にとっては許容範囲。地力について疑う点はないので、あとは展開。自分で競馬を作れるタイプではないので、展開が向くかどうか。今回は先行タイプが多いので差し馬には向きそうに思うが……。

 セイウンコウセイも実績馬だが、時計勝負になった場合は少し分が悪いかもしれない。函館スプリントSからここという使い方も良いのかどうか、前例が少ないので判断しづらい。

 ビッグアーサーは、データの問題以前にいかにもデキのリスクを抱えていそう。セントウルS回避時に伝わってきた感触では本番に間に合うか間に合わないか、くらいの感じだった。レース間隔も昨暮以来だし、ここは消しでよいように思う。

 ダイアナヘイローは逆にずっと休みなく使われているのでデキの維持がテーマ。4歳馬であること、牝馬であることはともにこのレースではプラス材料なので、デキさえあれば期待したくなる。

 メラグラーナは得意コースに戻るのがプラスだが、時計への対応力が微妙なのと、自分で競馬を作れない点が問題。トータルの時計がある程度かかる前崩れ、というちょうどよい結果になってはじめて浮上する。

 レッツゴードンキは高松宮記念2着馬だし、最近の感じだとスプリント戦に戻るのはプラスだろう。ただ今回は内枠。さばききれるかどうかが課題となる。

 かといって外が良いことづくめというわけではなく、このコースの大外16番は成績がいまひとつ。その枠を引いてしまったダンスディレクターは競馬の進め方が難しいが、早めに縦長の隊列になれば克服しやすくなるかもしれない。ただ、アタマ付けまでは考えづらい。

 個人的に穴で期待するのはファインニードルワンスインナムーン。前者は乗り替わりだが、このレースの乗り替わり馬成績が悪い一方、この馬自身は鞍上を問わないタイプ。後者はスプリント重賞での実績が無いが、勢いのある牝馬、しかも4歳馬というのはこのレースにおけるプラス要素だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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