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たまにはシンプルに考えてみる/キーンランドC

  • 2018年08月21日(火) 12時00分


◆軸の2択でいこうと考えている

 平成の30年で予想の技術というのもいろいろ進化したと思うのだが、進化しすぎて逆にややこしく考えすぎてしまうこともある。たまにはごくシンプルに予想してみるのもよいかもしれない。

 そこでキーンランドカップだ。まずは函館・札幌それぞれの改修によるイレギュラー開催を無視して単純な過去10年として扱う。このレースを起点とした前走レースで一番多いのはUHB賞(以前はUHB杯)であり、[2-2-2-45]の51頭。次が函館スプリントSで[3-1-4-24]の32頭だ。

 UHB賞のほうはオープン特別→重賞の形なのだが、前走着順の良い馬が来るとは限らず、むしろ説明困難な激走馬が出て大波乱の立役者となることがしばしばある。

 昨年のエポワスもそうだが、09年の2着ドラゴンウェルズ(3位入線の繰り上がり。2位入線降着だったモルトグランデも前走UHB杯)、08年1着のタニノマティーニといったところが2ケタ人気で激走している。つまり、UHB賞→キーンランドCは「狙って当てる」ということが難しい関係性なわけである。

 一方、函館スプリント組は過去10年、前走で勝ってきた馬が[2-0-3-2]、2着してきた馬が[1-1-0-2]、3着してきた馬が[0-0-1-1]。そして4着以下だった馬は[0-0-0-19]と、両レースがきれいに連動している。

 しかも前走1〜3着馬の複勝率は61.5%とかなり高い。函館・札幌それぞれのイレギュラー開催分を除いたとしても、なにせ前走4着以下馬は全く馬券に絡んでいないので結論に変化はない。

 今年はセイウンコウセイがいないので、函館スプリントS3着以内というとヒルノデイバローとナックビーナス。勝ち馬がいないぶんオマケして4着馬を入れるとしても……アドマイヤゴッドはUHB賞をはさんできたのでここの「買えるゾーン」には入らない(UHB賞組がたまに爆発するシナリオで狙うことはできるが)。

 こうなると、本命党寄りの人はナックビーナス、穴党寄りの人はヒルノデイバローに再度の激走を期待するということで、シンプルに結論を出してもよいかもしれない。私も軸はこの2択でいこうと考えている。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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