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オールカマーにおけるGI馬と中山GII馬

  • 2018年09月18日(火) 12時00分


◆GI馬の地力がモノをいうのか、中山適性が生きるのか…

 今週のオールカマーにはGI馬が3頭登録してきた。それと同時に、今年の中山GIIを制しているガンコとダンビュライトも登録している。

 GI馬の地力がモノをいうのか、中山適性が生きるのか……予想の参考になるように、過去の参考事例を紐解いてみよう。

 まず、芝GI優勝馬のオールカマー参戦。1998年以降20回のオールカマーに芝GI馬が出走したケースの成績は[5-3-0-9]。ただこの中にはGI制覇後しばらく経って勢いが無くなっていたケースもある。オールカマーで1〜3番人気だったケースは[5-3-0-3]で逆らいづらい。

 中山のGIを勝っていたケースと他場のGIを勝っていたケースではどうか。中山GIの勝ち馬が98年以降のオールカマーに出走したケースは[3-2-0-2]。これらはすべて3番人気以内だった。他場のGIに勝っていた馬だと[2-3-0-6](新潟でオールカマーが行われた年を除く)。ただこちらはGI制覇から時間が経っていて人気も落ちていたケースが多く、中山適性よりはタイミングの問題のように見える。3番人気以内だけなら[2-3-0-1]だ。

 ダンビュライトのようにその年のAJC杯優勝馬が出てきたケースは、98年以降[1-0-2-2]。ガンコのように日経賞優勝馬が[2-0-1-2]。同距離であるAJC杯のほうが有利というわけでもないようだ。

 ざっくりまとめると、GI馬でかつ勢いも持続しているアルアインとレイデオロはやはり有力。近走大敗が続くゴールドアクターはやや不利。GII勝ち馬ではダンビュライトのほうがイメージとしては買いやすいのだが、一見距離不足に見えるガンコのほうを重視するのもアリというところだろう。そしてこれらの馬が有望となると、人気薄馬の入り込む余地はだいぶ少なくなっているように思える。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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