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2歳新馬戦の単勝万馬券は大珍事?!

  • 2020年06月13日(土) 12時00分

単勝10930円の万馬券が飛び出した!!


 日本ダービーが終わって、JRAでは先週から2歳新馬戦が始まりました。来年の日本ダービーを目指す戦いが、間髪を入れずにスタートしたわけです。

 そうしたらいきなり、とんでもないことが起こりました。ご存知のとおり、東京で初めて行われた新馬戦(6日の第5レース)で、単勝10930円の万馬券が飛び出したのです。

 勝ったのは10頭立てで8番人気のウインアグライア。モーリス×ブエナビスタの仔で大注目を集めていたブエナベントゥーラを負かしちゃいました。

 2歳新馬戦の単勝万馬券なんて、めったに出ないんじゃないか?そう思って、さっそくnetkeiba.comデータベースの万馬券検索で調べてみました。

 すると、なんと東京では2007年11月23日第5レース、牝馬限定ダート1400メートルのレースで、16頭立て13番人気のシュンカジョウが勝って12040円の万馬券を出して以来、今回は13シーズンぶりの出来事だったのです。

 さらに、東京の芝で行われたレースに限ると、2004年11月28日の第4レース、芝1800メートル戦で、16頭立て14番人気のコスモプロデュースが勝ち15480円の万馬券となって以来16シーズンぶり、でした。

 ちなみに、04年と07年の両レースの間では、東京2歳新馬戦の単勝万馬券は出ていません。さらに、03年以前にもそういう例はありませんでした。データベースで検索できるのは1986年以降なので、それに限ると、東京では今回を含め3回しか飛び出していないのです。

 そして驚いたことがもう1つ。なんとなんと、その3回とも2着は堀厩舎の馬でした!今回が1番人気のブエナベントゥーラ、07年は同じく1番人気のキスアンドクライ、04年は2番人気のゴールドルパン(1番人気はピサノパテックで8着)。そんなことがあるんですねぇ。

 ついでながら、そのほかのJRA各競馬場では、2歳新馬戦の単勝万馬券がいつ出ていたか、直近の例をあげておきます(カッコ内は勝ち馬と人気順、1番人気馬と着順)。

京都=2019年11月16日第6レース(ショウゲッコウ14、タガノオボロ3)

阪神=2016年12月17日第6レース(ヤマニンベリンダ13、ハニージェイド3)

新潟=同8月7日第6レース(チシャーキャット14、ネオレジェンド5)

小倉=2015年8月22日第5レース(オウケンダイヤ11、タガノフォルトゥナ2)

中山=2013年9月28日第5レース(オーゴンボルト12、トルセドール2)

函館=2002年6月16日第5レース(フィールドマックス15、ラントゥザフリーズ2)

福島=1995年7月15日第6レース(エンジェルクラウン10、マジックシンガー3、当時は3歳新馬)

 ご覧のように、検索可能な1986年以降、札幌と中京では出ていません。とにかく、2歳新馬戦の単勝万馬券は“大珍事”なんですね。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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