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関屋記念は距離適性や近走成績を素直に評価したい

  • 2021年08月14日(土) 19時00分
 前回8月8日のWIN5は89万2910円の配当で決着。対象5レースのうち2レースを単勝1番人気馬が制したうえ、残る3レースの優勝馬も単勝5番人気以内・単勝オッズ10倍未満の支持を集めていましたが、少点数で勝負したプレイヤーにとっては十分と言って良さそうな水準まで払戻金額が伸びました。

 前回8月8日のような決着だと、的中させることができなかったプレイヤーの多くが「思ったよりも良い配当になったな」「もう少しだけ手広く買っていれば当たったのに」と感じたのではないでしょうか。それどころか、購入を見送ったのに「買っていれば簡単に当たったんじゃないか」と考えた方もたくさんいそうです。

 もちろん、5レースとも5頭ずつ押さえたらそれだけで買い目は3125点(1点あたり100円なら31万2500円)まで膨らみますし、都合良く前回8月8日のような決着となる確率は相当に低いわけですから、簡単に見えたとしたらそれは間違いなく錯覚。一時の感情に流されて投入金額を増やしたりするのはお勧めできません。

 しかし「WIN5にチャレンジしてみよう」と考える方を増やす効果は、“億クラス”の大波乱決着よりも、一見すると簡単に思える決着の方が高そう。自身が錯覚しないように注意する必要はありますが、前回8月8日のような決着がある程度まとめて発生したりすると、更なるWIN5の盛り上がりに繋がるのではないかと思います。

 明日8月15日のWIN5は総出走頭数が64頭、総組み合わせ数が29万3760通り(土曜12時現在)。多頭数のレースもある一方で、全体的には手頃な総組み合わせ数となりました。

【2021年08月15日発売分の1点予想】

小倉10R 2.イロゴトシ
新潟10R 12.エイシンチラー
札幌11R 11.ナイントゥファイブ
小倉11R 8.ヴェロックス
新潟11R 11.ソングライン

【1レース目 博多S(小倉10R)】

 2018年以前は高齢馬の活躍も目立っていましたが、近年は若い馬が優勢。「馬齢が5歳以上の馬」は2019年以降[0-0-1-8]です。バイマイサイド・モアナアネラらは評価を下げるべきでしょう。

 さらに「前走の負担重量が今回より軽い負担重量か今回と同じ負担重量だった馬」は2019年以降[0-1-0-7]。ベレヌスのように、前走でもハンデキャップ競走を使っていた馬は強調できません。

 今年はフィオリキアリ・イロゴトシ・ワールドスケールあたりが有力。負担重量が軽いイロゴトシは特に狙い目だと思います。

【2レース目 三面川特別(新潟10R)】

 こちらも若い馬が中心。「馬齢が5歳以上の馬」は2015年以降[0-2-1-31]と苦戦していました。グルファクシー・ガロシェらは割り引きが必要です。

 また「前走の着順が8着以下だった馬」は2015年以降[0-0-1-19]。ドナキアーロなど、大敗直後の馬も過信禁物と見るべきでしょう。

 ラキャラントシス・マリノソフィアあたりも侮れませんが、注目はやはり3歳のエイシンチラー。特に不安要素が見当たりません。

【3レース目 UHB賞(札幌11R)】

 2018年以前に比べると、近年は実績馬が堅実。「“前年以降、かつJRA、かつ重賞のレース”において3着以内となった経験がない馬」は2019年以降[0-1-0-20]ですから、アスタールビー・シャンデリアムーン・ロードアクアらは扱いに注意すべきだと思います。

 なお、同じく2019年以降の3着以内馬6頭は、いずれも馬齢が4〜5歳でした。ジョーアラビカなどの高齢馬や、3歳勢もやや不安です。

 これらの傾向から強調できるのはエイティーンガール・ナイントゥファイブの2頭。展開に恵まれそうなナイントゥファイブは押さえておくべきでしょう。

【4レース目 小倉記念(小倉11R)】

 キャリアが浅い馬を重視したいレース。「出走数が21戦以上、かつ“JRA、かつ1600m超、かつ出走頭数が11頭以上、かつGI・GIIのレース”において7着以内となった経験がない馬」は2011年以降[0-0-1-54]と、あまり上位に食い込めていません。ショウナンバルディらは評価を下げるべきだと思います。

 あとは馬格や臨戦過程も重要。「前走の馬体重が500kg以上だった馬」は2011年以降[3-0-0-37]、「前走の条件が重賞以外、かつ前走の距離が2000m以外だった馬」は2011年以降[0-2-1-28]なので、グランスピード・スーパーフェザーあたりも割り引きが必要です。

 強調材料が多いのはファルコニア・ヒュミドール・ヴェロックスの3頭。コース替わりがプラスに働きそうなヴェロックスは特に有力と見て良いでしょう。

【5レース目 関屋記念(新潟11R)】

 距離適性がポイント。「“前年以降、かつ中央場所、かつ1600mのレース”において2着以内となった経験のない馬」は2017年以降[0-0-0-27]でした。さらに「前走の条件が“重賞、かつ1400m超のレース”以外だった馬」も2017年以降[0-0-1-26]と苦戦しています。

 なお「前走の着順が7着以下、かつ前走の4コーナー通過順が3番手以下だった馬」は2017年以降[0-0-0-22]。サトノアーサーらも思い切って評価を下げた方が良いかもしれません。

 今年のメンバー構成なら、シャドウディーヴァ・ロータスランド・アンドラステ・ソングライン・クリスティあたりが楽しみ。3歳のソングラインは最優先で買い目に加えておきたいところです。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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