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【ジャパンC】ジャパンCの勝ち馬は前年の3着馬という共通点

  • 2022年11月26日(土) 12時00分

忘れられない戦いとなった2年前


 史上初めて三冠馬3頭が戦った2年前の第40回ジャパンCは、今思い出しても大変な大一番だった。1番人気、最強女王のアーモンドアイがGI・9勝目を挙げ有終の美を飾り、2番人気、無敵の三冠馬コントレイルが2着、3番人気、無敗の3冠牝馬デアリングタクトが3着と、これほど見事なレースは滅多に見ることはない。

 越えられなかった女帝の壁と新聞の見出しになっていたが、この時、最速の上がり3ハロン、34秒3の脚を繰り出してアーモンドアイに迫ったコントレイルは、4歳になった翌年、秋の天皇賞2着を経てこのジャパンCでラスト・ランを勝利で飾っていたのだから、2年続いて、現役最強をアピールしてそのままターフを去るという結末を受けて今年を迎えている。

 牡牝の三冠馬がジャパンCも勝って引退するというシーンは、そう度々見られるものではないが、この5年の2頭以外の勝ち馬を見ると、5年前のシュヴァルグラン、3年前のスワーヴリチャードはいずれも5歳馬で、前年の3着馬だったという共通点がある。どちらも秋ひと叩きして、ここを目標に定めていた。東京の、それも2400米が一番合っていて、前走の上がりタイムに注目すると予測可能だったと思う。また、両馬ともハーツクライ産駒で、晩成型という見方もできた。

 こうした事柄を今年に当てはめるとシャフリヤールに目がいく。昨年のダービー馬でジャパンCが3着。直線では、コントレイルと馬体を並べて抵抗していたが、あと200米で突き放されていた。藤原英調教師は、三冠馬と少しでも体を併せたのは貴重な経験になった。まだまだ成長すると語っていたが、その後、ドバイシーマクラシックを勝ち、アスコットでもレースを体験してきた。指定外国競争を勝っているのでここで1着になるとボーナス200万ドルがつく。天皇賞をひと叩きし体に張りが出たところで57キロの斤量も味方になる。

 ゆっくり最後に脚を使えるこのコースと距離が一番合っているので、4回目のコンビを組むC・デローム騎手ともども期待していいだろう。これに天皇賞で先着したダノンベルーガにも可能性がある。キャリアはまだ5戦の3歳馬で、皐月賞4着、ダービー4着、秋の天皇賞3着の惜敗続きだが、ハーツクライ産駒で、今後もしばらく見ていきたい一頭になる。

 今年3月に初めて芝に投入して5戦全てで上がり最速をマークし、前走京都大賞典を勝っているヴェラアズールは、トビが大きいので広い馬場、長い直線なら本領を発揮できる。押さえには無敗の3冠牝馬デアリングタクト、昨年のオークス馬ユーバーレーベンを斤量面で注目したい。

 東京競馬場に国際厩舎が完成し、空港から直接入厩出来るようになったので、来日した外国勢がどう走るか注目したいが、昨年5着のグランドグローリーとランキング1位のオネストの2頭あたりか。

「大向こう 唸らせるほどの 名勝負」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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