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【有馬記念予想】4着以下が続く馬、どこまでが許容範囲?

  • 2022年12月20日(火) 12時00分

近走好走していない馬が有馬記念で好走できるのか


 今年の有馬記念、2走連続で大敗したエフフォーリアの扱いに悩んでいる人も多いことだろう。強いことは分かっていても結果が出ていない馬をどう評価するかは難しい。

「好走」の基準を馬券に絡む3着以内とした場合、エフフォーリアやディープボンドは2走連続、ポタジェは3走連続、アカイイトやアリストテレスは4走連続で好走できていない。こういうケースでは過去にどのくらい有馬記念での好走例があるのか、過去10年ではなく過去20年と長い期間を取って調べてみよう。なお、海外成績は除外して、JRAでの成績のみを対象とする。その間に海外や地方で3着以内していてもノーカウント扱いとする。

 まず、前走で4着以下だったという場合。ここだけは前走海外もカウントすると、[4-9-11-149]で勝率2.3%・複勝率13.9%。回収率は単42%・複66%。海外なしだと[4-7-9-142]で勝率2.5%・複勝率12.3%。回収率は単45%・複65%だ。

 続いて2走連続で4着以下だった場合。[0-3-6-87]で既に勝ち馬はなくなり、複勝率9.4%。複回収率は61%。面白いのは、この状況でもまだ5番人気以内だった馬が[0-0-1-8]で複勝率12.5%・複回収率21%なのに対し、6〜10番人気は[0-2-4-28]で複勝率17.6%・複回収率90%。他に11番人気と14番人気で馬券に絡んだ馬が各1頭いる。

 これが3走連続となると、[0-1-3-50]で複7.4%・複回収率42%。馬券に絡んだ4頭のうち3頭は11年以上前の馬となり、過去10年だとクイーンズリング(17年2着)だけだ。

 4走連続は[0-1-3-28]で複勝率12.5%・複回収率70%。実は「3走連続」の好走例4頭はすべて4走連続で4着以下だった。そのうちクイーンズリングだけが、香港を入れると5走連続で4着以下だった。

 こうして見ると、「前々走3着以内・前走は4着以下」はそれでも上位人気になるような馬なら許容できる(回収率が低い=好走馬に占める人気馬が多い)が、1着は期待しないほうがよいという感じ。今年だと海外が絡むがタイトルホルダーがそれに近い。

 3走連続4着以下はさすがに負けすぎ。2走連続は全くナシではないが、それでもまだ人気(今回だとエフフォーリア)の馬よりは配当のつく馬を狙いたい。今回だと、これも海外が絡むがディープボンドを複穴で狙うイメージだろうか。

当コラムの次回更新は1月10日(火)12時予定です。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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