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【弥生賞・チューリップ賞】春のクラシック本番での可能性を見極める一戦

  • 2023年03月04日(土) 12時00分

落ち着いた流れにどう立ち回れるか


 春のクラシック、特に皐月賞、桜花賞に直結するトライアル戦が本格化する。

 弥生賞ディープインパクト記念とチューリップ賞は、その中でも注目度の高い王道と言ってもいいのだが、現状を見ると微妙に動きが見られるようになってきた。王道を行ったからと言って、必ずしもその先にタイトルが約束されているとは言えないのだ。特にこの5年は、それがはっきり見えている。

 皐月賞戦線から見ていくと、この5年、弥生賞から本舞台に向かった馬は全部で18頭、スプリングS組が16頭、共同通信杯から直接向かった馬は12頭と、この3レースがベスト3だが、弥生賞から皐月賞馬は生まれていない。

 スプリングSからは5年前に、その2着馬エポカドーロが皐月賞を勝ったほか、共同通信杯組からは、2年前に勝って3戦3勝としたエフフォーリアが皐月賞馬に、昨年は2着のジオグリフが本番をものにしていた。

 この3頭以外の残る2頭の皐月賞馬は、4年前のサートゥルナーリア、3年前のコントレイルだが、この2頭はいずれもホープフルSを勝って3戦3勝のまま休養に入り、皐月賞はそれ以来の実戦だった。

 同じ中山の2000米だからと言って、弥生賞と皐月賞では、頭数的にもレースの中味も異なっていて、トライアルは厳しい流れにはなりにくい面がある。落ち着いた流れにどう立ち回れるかを探るのがこのトライアルのポイントで、その結果から本番での可能性がどこまであるか、そこを見極める一戦だと言っていい。

 一方の桜花賞戦線のこの5年を見ると、チューリップ賞組は全部で21頭、フィリーズレビューから22頭、クイーンCから12頭というのがベスト3になっているが、栄ある桜花賞馬になれたものを見ていくと、その前走は実に様々になっている。

 5年前のアーモンドアイはシンザン記念を勝って3ヶ月ぶりの実戦だったし、4年前のグランアレグリアは朝日杯FSで強い牡馬を相手に3着と健闘していて年明け初戦が4ヶ月ぶりのレース、桜花賞だった。3年前のデアリングタクトは、エルフィンSを勝って2戦2勝で本番を勝ち、2年前は白毛のソダシで、阪神JFを勝って4戦4勝で桜花賞に4ヶ月ぶりに出ていた。

 そして昨年の桜花賞馬スターズオンアースは、年明け、フェアリーS、クイーンCといずれもクビ差の2着のあと、大一番を7番人気で激戦を制していた。とても通常の考え方では及びもつかないと言っていい。

 今年の場合、弥生賞はトップナイフを素直に取り上げたい。前走がホープフルSのハナ差の2着。立ち回りの巧さが武器で、豊富なキャリアも生きてくる。これを京都2歳Sで破っているグリューネグリーンが相手。

 一方のチューリップ賞は、前走阪神JF組が圧倒的に強いこれまでの傾向から、ドゥーラを取り上げたい。コース実績からダルエスサラーム、レミージュがこれを追うと見た。

「また一頭 有力候補 顔を出す」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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