米国指向のスピードと持久力を強化することが重要

　ドバイワールドCは◎ウシュバテソーロが優勝。〇アルジールスが2着。この予想は、日本にいようがハワイにいようができたと思うんですが、今年はドバイにいたこと、レース週の月曜には目星をつけていたことに意義がありました。
(ドバイWC当日の亀谷敬正の予想はこちら)

　ウシュバテソーロが勝つと思っていたので関係するホースマンを徹底マーク。牧場関係者にも話を聞き、奇遇にもレース前のパーティーで川田騎手と談笑する機会にも恵まれました。

　騎手へのインタビューといえば「どう乗るか？」「意気込みは？」「調子は？」「馬券になれそうですか？」といったところが月並みな疑問でしょうか？ もちろん、メディアは商売ですから、お客様が聞きたいであろうことを代表して聞くことは重要です。しかし、川田騎手から聞いた話は、まったく違う気付きを与えてくれました。

　ウシュバテソーロの基礎父系であるステイゴールドの性格。そして、横山和生騎手が彼を育ててきた過程について教えてもらったことで、馬とホースマンへの理解と尊敬を改めて得ることができたのです。

　その話を聞くことで、ウシュバテソーロが後方待機から直線でストライドを伸ばす乗り方をすることも想像はできました。ただ、それよりも「どういう馬だと思うか？」をレース前にホースマンに教えてもらうことが大事だとも思うのです。川田将雅騎手の連載『VOICE』では、毎週、競走馬、ホースマンに対しての考え方を聞くことができます。ますます読み解くことが楽しみです。

　さて、今週は大阪杯。川田騎手は大阪杯でもステイゴールドの血を継ぐ馬に騎乗予定ですが…大阪杯はGIIの頃から、ディープインパクトの血を持つ馬が特に強いレース。

　昨年も8番人気1着のポタジェ、2着のレイパパレがどちらも父ディープインパクト。2021年は父か母父ディープ系が1〜4着まで独占。2019年も父か母父ディープ系が1〜4着を独占。GIIだった頃も2014〜2016年までディープインパクト産駒が3連覇していました。根幹距離の芝2000mではディープインパクトの血を持つことがまず重要です。

　しかし、その要素を満たす馬(ディープを持つ馬)はこのステージに到達する馬の中では少なくはありません。そこから抜きんでる能力の方向性を強化する馬が有利になります。大阪杯では、スピードや米国的な要素を強化したタイプが有利になります。米国指向のスピード持続力が問われやすいからです。

　過去3年の大阪杯で連対した6頭は、すべて父か母父が米国型。もしくはミスプタープロスペクター系(ミスプロ系)でした。(出走馬の国別タイプ、系統はスマート出馬表を参照)

　また、昨年の勝ち馬ポタジェ、一昨年の勝ち馬レイパパレに共通するのは、どちらも芝2200m以上の重賞を勝っていないこと。米国指向のパワーと持久力を強化することで、2200m以上をこなす「伸び」を失っているタイプの方が大阪杯に向くのでしょう。

　マリアエレーナはディープインパクトの孫。父のクロフネはヴァイリスージェント系。昨年の勝ち馬ポタジェは母父がクロフネ。一昨年の勝ち馬レイパパレも母父がクロフネ。勝ち馬の必要走破タイムが1分59秒を越えてしまう馬場だとスピードを持続できないスピード型。馬場が回復すれば1分58秒台で走れる馬場になるのでチャンスは大きく広がります。

　キラーアビリティはディープインパクト産駒。母は米国産のキラーグレイシス。母父は米国型のコンガリー。母系に米国型の中でも最も注目の米国型ナスルーラ系のエーピーインディ。父がディープで母がアメリカ産の繁殖牝馬。母系にエーピーインディを持つ配合馬に当レースを勝ったアルアインがいます。アルアインと同様に、キャリアを重ねてパワーを武器にするタイプのディープ産駒。だからこそ、前走の芝2200mは伸び負けしたのですが、大阪杯ならスピードを持続できそうです。

著しい成績を挙げ、殿堂入り予想家となった亀谷敬正の(レース名)予想はレース当日までにウマい馬券で公開！