前走距離も馬券への重要なポイント
フローラSというと枠順別成績の話と前走1勝クラスの話ばかり毎年書いてきたが、今年はちょうどよい状況なので別な話を書きたい。このレースで最も重要なファクターは枠順なので、来年はまた枠順の話をしているかもしれないが……
今年ならではのテーマというのは、前走オープン組の扱いについてである。登録を見て、前走オープン組が少ないのに気付いたことがきっかけだ。今年登録している前走オープン組は3頭のみ。これはグレード制導入以降の最少である。これまでは2002年と2010年にあった4頭というのが最少だった。ちなみに最多は1990年で、実に13頭の前走オープン組が出走していた。
過去10年に限ると、前走オープン組は66頭出走して[3-6-5-52]という成績だった。これを前走距離別に見ると、前走1600m組が[2-3-1-26]で1800m組が[1-3-4-18]。他の距離から来た馬は8頭いて1頭も馬券には絡んでいない。
これだけだと「複勝率では前走1800m組のほうが優位だな〜」くらいの話だが、前走着順を絡めるとさらに見えてくるものがある。
前走1600m組は前走で掲示板に載ってきた馬が奮わず、前走6着以下組のほうが複勝率で上回っている。逆に前走1800m組は前走掲示板組が半分フローラSの3着以内になっている一方、前走6着以下組は12頭中1頭しか馬券に絡んでおらず、それが大穴だった(2014年13番人気3着マイネオーラム)とはいえ狙いづらい。
前走1600m組については桜花賞大敗馬が好走してエルフィンS等の好走馬がここで凡走しているのではと思われそうだが、そうではない。そもそも過去10年に前走が桜花賞だったフローラS出走馬は2頭しかいない。
そこまでサンプルの多い話ではないが、1600mからの2ハロン延長は前走の序列をひっくり返すことが多く、1800mからの1ハロン延長は前走の秩序が温存されやすいというように読み解ける。
今年登録している前走オープンの3頭はすべて前走掲示板組で、前走芝1600mが2頭と1800mが1頭。今回ご紹介した傾向が続くなら、重視すべきはゴールデンハインドで、1600mの2頭は慎重に扱わねばならないということになる。枠順が出ていない段階では、まずこの傾向を記憶にとどめておきたい。