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【新潟2歳S予想】距離延長組、買い目に入れるならどれ?

  • 2023年08月22日(火) 12時00分

不利なグループをどう扱うか


 馬券の難しいところに、「不利なグループからどの馬を拾うか」という問題がある。例えば新潟2歳Sでいうと、前走芝1600m以上を使ってきたグループと1400m以下を使ってきたグループでは明らかに前者が優勢。勝率も複勝率もかなりの差がある。

 それでも、距離延長組からどれかしらが絡んでくることはある。過去10年、前走芝1400m以下組は[2-2-3-60]、ここ3年は馬券に絡んでいないが、その前は7年連続で1頭ずつ3着以内に1頭ずつ来ていた。

 私の場合、自分個人の馬券なら、明らかに不利なグループはばっさり切ってしまう。ただ公に示す予想というのは回収率や将来の期待値だけでなく、ある程度の的中頻度も求められるというのが現実だ。

 皆さんの馬券においても、ご自身の収支があまり激しくアップダウンしてほしくない、といったケースはあるだろう。期待値を下げてでも的中頻度を取りたい、ということでは我々が仕事で出す予想と事情が似ているということになる。

 では結論として不利なグループをどう扱うか。私の答えは「1頭だけ入れる」とか「3連複や3連単のフォーメーションでは3列目のみに入れる」というものだ。ヒモに入れるけど入れ過ぎない、ということである。

 幸いというか、新潟2歳Sの距離延長組にはいくつかの傾向がある(以下は前走芝の距離延長組のみを対象)。ひとつは、前走新馬組でないと苦しい。新馬組は10年で5頭が馬券に絡んでいるが、未勝利組は1頭のみ。他に前走函館2歳Sからここで3着したケースがあるが、今年は前走オープン馬がいない。

 ふたつめは、前走着差が大きいほうがよい。タイム差無しで新馬・未勝利を勝ってきた馬は[0-0-0-11]で、あとは着差が大きいほど複勝率も高くなっている。

 みっつめは、前走人気。前走新馬・未勝利を4番人気以下で勝ってきたという馬は[0-0-0-17]だ。

 要するに常識に合う馬が走っているということで、整理もすっきりつく。今年の距離延長組は登録馬中に4頭。うち新馬組は3頭。3番人気以内で勝ってきたのは2頭。

 2頭の前走着差はアスコリピチェーノ0.4秒、ジューンテイク0.2秒。軸でなくヒモの話で恐縮だが、私自身は前者のみをヒモに入れる予定でいる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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