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【富田暁×藤岡佑介】「“自信”が原動力に」池添謙一騎手や横山武史騎手らにみるメンタル論/第3回

  • 2023年08月30日(水) 18時01分
“with佑”

▲同期と同じ競馬場で乗ることも刺激に(撮影:山中博喜)


競馬学校時代には一番下から這い上がる経験をしたという富田騎手にお聞きする今回のテーマは“メンタル”について。

この夏は北海道滞在で、「(思考が)真逆」と話す同期の横山武史騎手と同じレースに騎乗し、自分に足りないものに気づいたと話します。

他にも坂井瑠星騎手、西村淳也騎手など、同世代の中でも存在感のある騎手たちにはメンタルの強さを感じるそうで…。その原動力となっているのは──。

(取材・構成=不破由妃子)

「武史に教えてもらっている自分に腹が立つ──」


──競馬学校時代のお話を聞くと、本当に一番下からここまで這い上がってこられたんだなと思うし、富田さんの騎乗からは“強い気持ち”が伝わってくるような気がします。やはりメンタルの強さがベースにあるのかなと想像しますが、そのあたりもお聞きしてみたいです。

佑介 あんまり病まへん?

富田 いえ、病みます…。めちゃくちゃ病みます(苦笑)。

──あ、そうなんだ…。

佑介 メンタルに波あり系?

富田 あり系です(笑)。僕、めちゃくちゃネガティヴですよ。悪いほう悪いほうにどんどんいってしまうタイプです。

佑介 言われてみれば、「ああしておけば、こうしておけば」みたいなネガティヴな発言が多いかも。(横山)武史と真逆やね。

富田 マジで真逆です。今年、4年ぶりに函館にきて、武史とも久しぶりに一緒に乗ったんですけど、やっぱ「こいつ、すげーな」と思いましたもん。それこそ気持ちの強さというか…、自信ですよね。武史を見ていて、自分に一番足りないのはそこだと気づかされました。

佑介 同期のそういう姿は本当に刺激になるよね。

富田 はい。実際、武史にちょっと教えてもらったりもして。

──どういったことを?

富田 レースについての本当の細かいところです。それも僕にとっていいきっかけになったような気がしています。まぁ武史に教えてもらっている自分に腹が立つところもありますけど。

──自分より結果を出している同期に素直に聞けるのは、富田さんの強さでもあるなと思いますけどね。

富田 本当にすごいなと思うんですけど、やっぱりちょっと悔しいですよ。ただ、武史とは競馬の話をする機会があんまりなかったというか、実際にこれまではしてこなかったので、今回はいい機会かなと思ってちょっと話を振ってみたんです。そうしたら、本当にいい話を聞かせてもらって。今後は、「もう暁に教えることはないよ」と武史に言われるくらいにならないとなと思いますけどね。

“with佑”

▲8月13日の3歳未勝利をマルモルミエールと制した富田暁騎手。2着は横山武史騎手騎乗のサラサビーザベストだった(撮影:山中博喜)


先輩をムカつかせるほど…“自信”が溢れ出ている3人の若手騎手


佑介 “自信”については俺もいろいろ思うところがある

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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

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1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

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