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【新潟記念】サマー2000の逆転チャンピオンへの可能性

  • 2023年09月02日(土) 12時00分

近2年勝馬の共通点は晩成型の血を受け継いでいるということ


 サマー2000シリーズの最終戦と言っても、今年の新潟記念の出走馬でチャンピオンの資格があるのはマイネルウィルトスの1頭だけ。函館記念4着で3点獲得して14位、ここで勝てば13点以上かつ1勝以上という条件を満たすことができる。札幌記念を勝ったプログノーシスは、シリーズはこれ1戦だけで12点どまり。他は全部これ以下で、今年はこのシリーズのチャンピオンになれるのは、極端に限られている。勝てる可能性があるのかどうか、やはり気になるところだ。

 一年ぶりの前走函館記念をひと叩きされたが、スタートがひと息で最後方から最速の上がりで伸び、地力のあるところは見せていたので、十分に上がり目はあるだろう。まだ重賞は勝っていない7歳馬だが、昨年目黒記念と函館記念で2着しており、晩成型のスクリーンヒーロー産駒らしいところはある。新潟の2000米は一昨年の4月不良馬場で勝っており、スタミナはあるので、タフなレースになれば面白そうだ。

 伝統のハンデ戦で飛躍の秋のきっかけにするには高齢だが、異色の有力馬と考えてみたい。ハンデ頭はこの10年で1勝2着2回のみで苦戦しているが、この2年は少し違っていた。昨年10番人気で勝ったカラテは、57.5キロのハンデ頭だった。6歳馬で東京新聞杯を勝つなどマイル中心に走っていたが、スローペースの中7番手で折り合いをつけ、直線はマイル戦と変わらぬ切れ味をみせていた。長く脚を使える良さが、直線の長い左回りコースで発揮されたと言える。2年前は、57.5キロのトップハンデのトーセンスーリヤは2着で、勝ったのは12番人気、55キロのマイネルファンロン6歳馬だった。スタートで後手に回ったので腹をくくり末脚勝負にかけたのが功を奏し、大外から最速の上がりで豪快に差し切っていた。この2年の伏兵馬の勝利を見ると、2頭とも6歳馬で晩成型の血を受け継いでいるという共通項がある。トゥザグローリーとステイゴールドの産駒、ならばスクリーンヒーロー産駒のマイネルウィルトスの目もあっていい。

 種牡馬でこの10年の新潟記念の勝ち馬を見てみると、ディープインパクトの3頭、キングカメハメハの2頭がこれに続き、あとはゼンノロブロイ、マーベラスサンデー、ハービンジャー、ステイゴールド、トゥザグローリーとなっている。また、ハンデは57.5キロまでなら勝ち馬が出ている。こう見てくると今年は、ディープインパクト産駒のサリエラにプラダリア、その子ヴァンセンヌを父に持つバラジの3頭にスクリーンヒーロー産駒のマイネルウィルトスと、その血を受け継いでいるモーリスの産駒3歳馬ノッキングポイントあたりが候補と考えてみたい。タイムの速い切れ味勝負ならディープインパクト系の3頭から、スタミナ勝負で長くいい脚が生きるならスクリーンヒーロー系の2頭から。

「越後路で 飛躍の秋の きっかけを」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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