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【スプリンターズS予想】今年は誰にでもチャンスがありそうな一戦

  • 2023年09月29日(金) 18時00分

逃げ馬が多く展開が鍵か


 GI馬もいるが近況が良くはなく、誰にでもチャンスがありそうな今年のスプリンターズS。逃げ馬が多く展開も鍵になってきそうだ。

 GI好走歴があり近走内容もよいのがナムラクレア。プレップレースに強く本番だとやや着順を下げる傾向にあるが、今回は相手関係も厳しくないので悲願のタイトルに手が届く可能性も。差しタイプだが極端に後ろにはならない脚質も今回の展開に合いそうだ。

 アグリは前走追い込みきれなかったが、新しい戦法を獲得したという意味では良い前哨戦だった。今回も差しに回ったほうが結果が出るように思う。GI好走歴がないわりに人気になるのはちょっと嫌だが、短距離の名門・安田隆行厩舎の力に期待したい。

 ママコチャは上がり馬ということで上位人気になりそうだが、北九州記念組という点がやや不安。あまりスプリンターズSに繋がっていないレースである。昨年はジャンダルムが勝ったが、同馬は本番と同じオーシャンSを勝っていた一方で北九州記念は17着。北九州記念好走馬は意外とスプリンターズSで狙いづらい。そこを気にしないのなら、55.5キロで好走してきたことを単純に評価してもいいだろう。

 その北九州記念を勝ったのはジャスパークローネ。今回は逃げたい馬が他にテイエムスパーダ、モズメイメイとおり、簡単に逃げることはできないだろう。やり合いになると逃げ争い勢だけでなくその後ろの馬たちまで総崩れになりうる。ただ、展開は一般的な予想の逆になることもあり、あっさり隊列ができるようだとここに挙げた3頭の誰かが粘りうる。

 マッドクールは重馬場だったとはいえ同じコースの春雷Sを勝っているのはプラス。今年はオーシャンS好走馬がいないので、コース実績で狙うとしたらこの馬あたりになる。あるいはオーシャンS最先着を評価し、近2走を無視してエイシンスポッターあたり。

 ピクシーナイトは復帰後結果が出ていないが、絶望的というほどの着差でもない。ナランフレグともども、ここはGI馬の底力を見せてほしい一戦。メイケイエールはGIに縁のないまま5歳秋になってしまったが、一昨年くらい走れれば今年のメンバーだと勝ち負けに絡める可能性があると思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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