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【凱旋門賞予想】海外レースで的中を続ける血統ビームが凱旋門賞を分析

  • 2023年09月29日(金) 19時00分
今週末は凱旋門賞とスプリンターズS!
血統ビームを駆使した亀谷敬正の予想を重賞限定で公開!
鋭い着眼点に基づく見解は誰が読んでもタメになります。
以下よりぜひご覧ください。
亀谷敬正の予想を見る

サドラーズウェルズの馬力よりもダンチヒのスピードを重視


 ここ数年、日本人ホースマンのおかげで、海外競馬も少しは馬券ゲームを楽しめるようになりました。おかげでJRAユーザーの皆さんとも「血統ビーム」を通じて世界中の競馬予想の的中を楽しむことができています。日本人ホースマンの挑戦に対して感謝の念に堪えません。

 海外馬券は、日本の馬券ゲームよりも的中へのノウハウ、データがまだまだ少ないので、とりあえず当てればおいしい配当が転がり込んできます。

 今年も「ウマい馬券」で公開した最終予想も、ドバイワールドカップは勝ち馬のウシュバテソーロを本命に推奨。ケンタッキーダービーでも勝ち馬のメイジを本命。日本のオッズの方が海外の多くのブックメーカーよりも低かったですが、それでも確率に比べればまだまだおいしい配当です。

 凱旋門賞も2006年にディープインパクトを無印にして単勝、馬連を的中させて以降、過去4年も本命馬がすべて人気以上に走り馬券圏内に走っています。

 凱旋門賞を血統ビーム的な傾向分析すると、イギリスの主流G1での好走血統の傾向に比べれば、やや異質。非主流寄りの方向性のレースと位置付けられます。

 凱旋門賞は欧州の主流中長距離戦線の中では直線スピードが問われやすい舞台。とはいえ、日本ほどは直線スピードが問われないのも大事なポイント。

 欧州のレースは、イギリス、アイルランドのトップG1で要求される能力が主流です。これらのレースでは豊富なスタミナと馬力、バテてからの粘り強さが凱旋門賞よりも要求されます。凱旋門賞はそれよりもスピード寄りのため、欧州の主要レースの実績はそのまま反映されにくいです。よって、能力の方向性を示す血統の傾向も凱旋門賞は独特なものになります。「競馬で要求される能力の方向性は一定ではない」のです。

 それを象徴するのが、イギリスのトップサイヤーガリレオ産駒の不振。過去5年ではガリレオの直仔で馬券になったのは1頭のみ。ロンシャンで開催された過去10回の凱旋門賞でも、ガリレオ直仔は上位人気になっていた馬も多数いながら1勝しかできていません。凱旋門賞はガリレオ直仔の逆張りで、おいしい配当を獲り続けられたレースともいえます。

 一方で、ガリレオよりも凱旋門賞に相性がいいのは、ガリレオよりもスピードと加速力に優れた父か母父がダンチヒ系、デインヒルの血を持つ血統馬。

 ダンチヒ系、デインヒルの血はオセアニア、香港で特に繁栄している血統。芝短距離指向の加速力やスピード能力に優れているのが特徴です。では、ここ数年の好走馬の血統、戦歴を振り返ってみましょう。

 2022年1着アルピニスタ、2021年3着ハリケーンレーンの父フランケルは母父デインヒルの影響も強く受けた欧州のスーパーマイラー(芝2200m以上は未出走)。

 2022年7番人気2着ヴァデニの父チャーチルは2歳時に1400mのG1を2勝。3歳時もマイルG1であるイギリスとアイルランドの2000ギニーを連勝した馬。

 2020年1着、2019年3着ソットサスの父シユーニはヌレイエフ系のマイラー。その母父はダンチヒ系のデインヒル。

 2021年2着タルナワの父シャマーダルは自身、産駒ともフランスのマイルで優秀な実績を残す馬。

 2020年3着ペルシアンキングは父がキングマン。非常に優秀なマイラーで、日本でも産駒のシュネルマイスターがNHKマイルCを勝ったように、東京芝にも適応するほどの素軽さとスピード、末脚の伸びを武器にする血統。

 このように、凱旋門賞に出てくる馬のなかではスピード寄りの血統、戦歴の馬が上位に走る年が多いです。凱旋門賞は芝2400m。雨の年も多く、時計がかかる年も多いのですが、それでも、凱旋門賞の舞台は、他の欧州中長距離G1では主流能力であるスタミナや馬力よりもスピードに秀でた馬が有利になりやすいのです。(以上の競走馬分析は、当時、レース前に公開した最終予想でも書いています)

 今年、まず注目の血統馬はエースインパクト。

 父クラックスマン。その父のフランケルは凱旋門賞勝ち馬も出しました。母父のピヴォタルはスプリンター血統でその産駒シユーニの産駒も凱旋門賞を優勝。母父アナバーブルーはダンチヒ系。サドラーズウェルズよりもダンチヒの要素が強く、マイラー要素と直線スピードに寄った血統馬。

 2200m以上は未出走であることも、凱旋門賞では有利。競走馬は走る距離を知らないため、近走の経験によって走りが変わります。凱旋門賞は、長い距離のスローペースばかりを経験している馬よりも、スピード競馬を経験している馬の方が有利になります。

 厩舎と騎手は2020年の勝ち馬ソットサスと同じ。いい素材(血統)を開花させることができるのは、やはりホースマン。「血を育むのは人」なのです。

著しい成績を挙げ、殿堂入り予想家となった亀谷敬正の凱旋門賞とスプリンターズS予想はレース当日までにウマい馬券で公開!

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
ウマい馬券にて『血統ビーム』の予想提供中

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