スマートフォン版へ

【毎日王冠・京都大賞典】秋を見据えた前哨戦 確かな手応えをつかむのは

  • 2023年10月07日(土) 12時00分

出走各馬の立場を考えなくしてレース検討はできない


 秋のタイトルを視野にその前哨戦が始まった。毎日王冠も京都大賞典も、ここで確かな手応えをつかむワンステップだが、それぞれの事情がからみ、対応の仕方に違いがある。出走各馬の置かれている立場を考えなくしてレース検討はできない。

 昨年の毎日王冠は、サリオス(牡5)がオグリキャップ以来33年ぶり2頭目の、このレース2勝目をレコードタイムで挙げていた。東京が得意、皐月賞、ダービー2着の実力馬で、前走の安田記念3着で脚力健在を証明していて、1番人気だった。

 中団の内で直線まで動かず、上がり3F33秒8で馬群を割って抜け出し、同じような脚で差してきたジャスティンカフェを半馬身抑えていた。

 サリオスが最初に毎日王冠を勝ったのが、その2年前の3歳時だが、実は3歳馬が2019年、20年、21年と3連勝していて、一頭も出ていなかった昨年はともかく、今年の気になるところとなっている。

 この3頭の3歳時の成績は、19年のダノンキングリーが皐月賞3着、ダービー2着とタイム差なしの快走で力を示していて、20年のサリオスも皐月賞、ダービーどちらも2着、21年シュネルマイスターはNHKマイルCを勝ち、前走安田記念では古馬と戦い3着と健闘していた。

 この3頭に共通するのが、いずれもそこまでの戦績が5戦3勝だったことで、この3頭全てが1番人気で勝利していたのだった。マイルでも走れるようなスピード能力があること、東京の芝1800米でもその点は重要なポイントと言っていい。もちろん長い直線を走り抜く末脚も求められている。

 今年は、安田記念を連覇して秋初戦が初の9ハロン戦になるソングラインが紅一点で注目されているが、BCマイル遠征を目標に、8戦して7連対の東京で走り抜くことに期待したい。

 これに、前走安田記念3着でスランプを脱したGI馬シュネルマイスターのレース2勝目の期待、末脚自慢で昨年2着のジャスティンカフェも前走エプソムCのような走りが出来れば面白い。

 そして2頭の3歳馬からは、ラジオNIKKEI賞でスタートよく立ち回りのうまかったエルトンバローズをマークしておく。ここまで7戦して3連勝中の上がり馬で、他馬との斤量差は大きい。

 3年ぶりに京都にもどった京都大賞典は、3角すぎからの下り坂でペースが上がる特徴があるので、持続する脚がもとめられている。それと、逃げ馬がいつも苦戦することと距離実績を重視したい。

 春の天皇賞3年連続2着のディープボンドを第一に。今年はじっくり充電期間を取ることが出来ている。

 昨年勝ってジャパンCでGI馬になったヴェラアズールは、春は不本意な成績が続いたが、京都外回りで復活の可能性が高い。そして夏を使った強味を生かせるプラダリアは、青葉賞など2400米で2勝していて、チャンスはありそうだ。

「この先に 待っているのは GI戦」

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング