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【秋華賞予想】リバティアイランドに万が一2着があるなら!?

  • 2023年10月10日(火) 12時00分

2着を見込む場合の話


 今週の秋華賞はリバティアイランド一色という感じ。同馬といえば差し脚のすばらしさが印象的で、桜花賞・オークスに続き上がり最速を取ってくる可能性は高い。

 一方、秋華賞はこれまで27回行われたが、上がり最速馬(同タイムがあるのでのべ31頭)の成績は[8-8-4-11]。勝率が25.8%、複勝率が64.5%となっている。この数字は意外に低いと思われそうだが、これは位置取りだけで出た上がり最速を含んでいるせいでもある。また半分くらいは4番人気以下の馬によるものなので、猛然に追い込みつつちょっと足りない結果になることもある。
 
 1〜3番人気だと[8-4-1-3]で、信頼度はぐっとアップする。リバティアイランドは3番人気以内どころか一本かぶりの1番人気だから、連対を外すということはまず考えにくい。

 ただ、仮に2着だったとしても3連単の配当はぐっとアップする。では、1〜3番人気の馬が上がり最速を繰り出しても1着まで届かなかった7回(前述の着度数では8回に見えるが、2006年は同タイムの上がり最速馬が2頭とも負けている)、勝ち馬はどんな通過順だったのだろうか。

年度    優勝馬       通過順
1996年 ファビラスラフイン   3-3-4-2
2001年 テイエムオーシャン   3-3-3-2
2003年 スティルインラブ    10-10-8-6
2006年 カワカミプリンセス   9-8-5-6
2007年 ダイワスカーレット   1-2-2-1
2021年 アカイトリノムスメ   6-5-5-4
2022年 スタニングローズ    3-5-5-4

 スティルインラブやカワカミプリンセスのような例もあるが、他の5頭は2コーナー5番手以内。テイエムオーシャンやダイワスカーレットはそもそも格上タイプだが、ファビラスラフイン(5番人気)、アカイトリノムスメ(4番人気・阪神施行)、スタニングローズ(3番人気・阪神施行)を考えると、やはり位置取りのアドバンテージで勝負するしかなさそう。「リバティアイランドより少しだけ前にいて、同馬より少しだけ遅い上がりながら先着する」というシナリオは現実的でない。

 以上はリバティアイランドの2着を見込む場合の話であって、単に圧勝されたらそれまで。またリバティアイランドが好位を取ったり中団を取ったうえで上がり最速を繰り出してきたら逆らうもなにもない。以上はあくまでまさかの2着を狙うなら、という話である。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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