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【菊花賞予想】有力馬は外枠で波乱の展開? 3000mの長距離GIを制するのは

  • 2023年10月20日(金) 18時00分

前に行きたい馬にとって外枠は苦しい


 菊花賞は、有力馬がけっこう外枠に入ったなという印象。改修後の京都芝外回りは外枠馬がよく走っているが、3000mは改修後はじめてだし、最初のコーナーまでの距離を考えると前に行きたい馬にとって外枠は以前と同様に苦しいかもしれない。

 ソールオリエンスは皐月賞1着、日本ダービーもクビ差2着だから当然今回も期待されるところ。セントライト記念はあくまでプレップだし、展開と不利を考えれば心配する必要はない。問題があるとしたら展開と要求される上がり。上がり上位にも入ってきた馬だが、あまりに速い額面を要求されるとよくないかもしれない。

 タスティエーラは日本ダービーからぶっつけというあまり例のない形だが、ノーザンファームと堀厩舎がそれを選んだ以上、それなりの裏付けはあるのだろう。距離延長はプラスではないかもしれないが、そもそも近年の菊花賞は「筋金入りのステイヤー」が来るレースではない。位置がとれる一方で上がりもまとめられるのが強みで、それを生かしたい。

 サトノグランツは神戸新聞杯が上がり2位で、今回出走している中では最速。日本ダービーも着順は11着だが上がりだけは2位だった。展開とかみ合えばここでも好走可能。エンジンのかかりが早くはないがかかったあとは出力の出る馬。最後のひと伸びで優勝をモノにする可能性もある。

 ファントムシーフはハービンジャー産駒なので距離延長が楽しみ。キレない馬で日本ダービーは位置取りの段階で終わったが、神戸新聞杯ではその経験を生かして逃げ粘った。今回も逃げかどうかはともかく前に行くだろうが、外枠を引いたのが痛い。また仮に逃げた場合、スローに落としすぎるとキレ負けするので、サジ加減が難しくもある。

 ハーツコンチェルトは能力があるわりに結果に繋がってこないという印象。はじめての京都がプラスに出るかどうか。ハーツクライ産駒が菊花賞[0-1-0-15]なのはさすがに気になるが、そもそも上位人気だった馬はそれほど多くない。

 ドゥレッツァは距離延長が明らかに歓迎というタイプではないが、上がり馬の魅力がある。とにかく末脚がよいし、上がりのたタイムそのものも出せる。大外枠はしんどいが、一発があってもおかしくない馬だ。

 ノッキングポイントも血統だけを見ると3000mのイメージは湧かないが、菊花賞を選んできた以上陣営は菊花賞への適性について根拠を持っているのだろう。日本ダービーも僅差だったし、ここでも馬券の対象として一考する価値はある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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