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【共同通信杯予想】侮れない、前走条件戦の上がり最速馬

  • 2024年02月06日(火) 12時00分

過去10年で8勝 驚異的な勝率誇る「前走上がり最速馬」


 いまの競馬では速い上がりを使えるということが大きな武器であり、共同通信杯においてもそのような傾向が出ている。

 過去10年で見ると、前走で上がり最速をマークしていた馬が7勝しており、他は前走上がり2位と5位タイから1頭ずつ勝ち馬が出ているだけだ。足して10頭にならないのは前走のホープフルSを取り消していたディーマジェスティがいるからなのだが、同馬はホープフルSのさらにひとつ前の未勝利戦では上がり最速で1着。これを入れれば前走上がり最速からの共同通信杯勝ち馬は10年で8頭ということになる。

 前走上がり最速だけでなく3位以内という括りと4位以下で比較しても共同通信杯における成績差は明らか。前走上がり順位が単に能力を反映しているということもあるが、「しぶとく残す」タイプが通用しづらいのがこのレースでもあるのだろう。

 話を前走上がり最速馬に戻すが、上がり最速といっても重賞やオープン特別でマークしてきた場合もあれば、条件戦でマークしてきた場合もある。

 過去10年の共同通信杯における前走上がり最速馬は[7-3-3-26]という成績(ディーマジェスティ含まず)。そのうち前走オープンだった馬は[1-1-1-9]、条件戦だった馬は[6-2-2-17]で、実は後者のほうが勝率・複勝率とも高い。未勝利戦を上がり最速で勝った馬は[0-0-0-6]なのだが、新馬か1勝クラスを上がり最速で勝ってきた馬は侮れない。ちなみに前者が[2-1-1-4]、後者が[4-1-1-7]である。
 
 今年の共同通信杯に登録している前走上がり最速馬は4頭で、うち2頭は前走が未勝利戦。朝日杯FSで上がり最速だったエコロヴァルツがいるのでこれは尊重せざるをえないが、新馬戦を上がり最速で勝ってきたベラジオボンドにも一発の期待をかけたいところだ。ディーマジェスティのケースを考えると、未勝利戦を上がり最速で勝った2頭も完全には無視できないところである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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