日本でも2歳戦が始まり、勝ち上がり第1号の父がフレッシュマンサイヤーのショウナンカンプ産駒だったことが話題となっている。欧米ともに、2歳戦はもっとずっと早くからスタートしており、新種牡馬の子たちも続々とデビューを果たしているが、現段階のフレッシュマンサイヤーリストを見ると、欧米ともに1頭が2位以下を大きく離して独走態勢を築いている。
イギリスとアイルランドの統計で、新種牡馬部門の首位を快走しているのが、アクラメーションだ。現役時代は、レスリー・ジェラルド・コットレル厩舎の所属馬で、アスコットの6fのG2ダイアデムSに優勝。ヨークの5fのG1ナンソープSでも3着となるなど、豊かなスピードを武器に活躍したA級スプリンターだった。
その父も、ヘイドックの6fのG1スプリントCなどを制したロイヤルアプローズで、母プリンセスアテナもアスコットの2歳G3クイーンメアリーSの勝ち馬だから、スピードと仕上がりの早さにかけては折り紙付きの血統である。
この春に初年度産駒がデビューするやいなや続々と勝ち上がり、6月16日時点で14頭が勝ち馬となって19勝。フレッシュマンサイヤーランキングのみならず、2歳リーディング全体でも首位に立っているのである。2歳ランキングの2位も新種牡馬のショワジールなのだが、その成績が「8頭勝ち上がりの9勝」だから、勝ち星に関しては2位にダブルスコア以上の差をつける快進撃を見せているのである。
一方、北米の統計で新種牡馬部門の首位を走っているのが、ポッセ(その父シルヴァーデピューティ)だ。現役時代は、今季カーリンでプリークネスSを制したスティーヴ・アスムッセンの管理馬だったポッセ。2歳時・3歳時と18戦し、距離5.5fの2歳G3ケンタッキーS、7fのG2リヴァリッジS、7fのG2ラファイエットSと、3重賞を含めて7勝を挙げている。このうちケンタッキーSは、日程的に北米で一番最初に行われる2歳重賞だから、父自身も明らかに仕上がり早のタイプだった。
初年度産駒となる今年の2歳世代には52頭のポッセ産駒がいるが、6月15日現在で12頭がデビューし、このうちなんと7頭が勝ち上がるという、驚異の勝ち上がり率をマークしているのである。英愛のアクラメーション同様、北米のポッセも、フレッシュマンサイヤーランキングのみならず、2歳リーディング全体でも首位に立ってるが、2歳全体の2位のスイスヨーデラーの勝ち馬数が4頭だから、こちらも独走態勢で固めていると言って良さそうだ。
日本は今、POG指名の真っ盛りである。「2歳限定ルール」のPOGに御参加の方、アクラメーションやポッセの子がいたら、まず間違いなく仕上がり早で勝ち上がり率も高いので、ぜひ指名されることをお薦めしたい。