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実績や格だけで勝てるレースではない

  • 2007年07月11日(水) 15時50分
 直前の斤量の増量、そういうことがあるのかと認識を新たにさせられた「キャッシュコールマイル」だった。当初、119ポンドだったコイウタが、レース当日になって123ポンドに。「ヴィクトリアマイル」は国際G1ではないので増量はないと確信していたが、他の陣営はそうは見ていなかった。

 毎年、この時期にハリウッドパークにやってきて良績を残す日本馬の存在がそれだけ大きく、レベルが高いという評価を得ていると思えば、それはそれで認めなくてはならないだろうが、国内の競馬では考えにくいことだ。国際レースのルールの確立、それぞれのお国柄により異なるということを、知っておくべきなのかもしれない。

 それにしても、「アメリカンオークス」と合わせて4頭もの牝馬が遠征した今年の夏は、ある意味では、日本の競馬の勢いを感じさせるものだった。期待が大きいからこそ、敗戦を喫したショックもあるのだが、そんなにこだわることもないと思っている。

「アメリカンオークス」も「キャッシュコールマイル」も、年々注目度を増しているレースだから、ここを目指す馬たちも多くなっている。「キャッシュコールマイル」の4歳レディオブヴェニスは2連勝中で調子を上げていた牝馬だし、「アメリカンオークス」のパンティーレイドは、昨年の勝ち馬ウェイトアホワイルと同じT・プレッチャー調教師の管理馬で、3連勝で初G1制覇だった。

 ともに調子を上げてきた馬たちで、実績や格だけで勝てるレースではないことを立証したことになる。

 そのレースが、多くの注目を集めていくことで、今年のような結果が普通になっていく。その点、この2つのレースは、はっきりと超一流の道を進んでいることになる。息つく間もない速いペースのアメリカ競馬、それを乗り切るノウ・ハウをどう確立していくか、ひとつのテーマが見えてきたと言える。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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