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タタソールズ・オクトーバーの上場馬確定

  • 2007年08月21日(火) 23時50分
 欧州最高のイヤリングセール、「タタソールズ・オクトーバーセール・パート1(10月9日〜12日)」の上場馬が確定した。私は今、「アルカナ・ドーヴィル・オーガスト・イヤリング(8月17日〜20日)」の取材のためにフランスに滞在していて、今年のドーヴィルセールの品揃えの良さに感嘆していたのだが、血統的な評価に限って言えば、英国ニューマーケットで開催されるタタソールズ・オクトーバーはアルカナ・ドーヴィルの比ではなく、「欧州最高はここ」と改めて認識させられる高品質のラインナップになっている。

 1頭ずつ取り上げて行くと切りが無いのだが、その一端をほんの少し御紹介するなら、今年のタタソールズ・オクトーバーのカタログには、フットステップスインザサンド、ラヴディヴァイン、ラティス、ロウマン、シクスティーズアイコン、ディヴァインプロポーションズ、サイラー、スペシオーサ、グレイスワロー、ヴィクトリーノート、コックニーレベル,アトラクションといった3歳クラシック勝ち馬の弟や妹がいて、ラヴディヴァイン、ミスサタミクサ、ラファー、ラムルーマ、シャトゥーシュ、テジアーノ、ワナビーグランドといったG1勝ち馬が母となって産んだ子が居て、ダッチアート、シンプリーパーフェクト、マウントネルソン、キャッスルデイル、キスティーナ、マリエンバード、ウイッパー、エクセレントアート、パーリーシェルズ、アマデウスウォルフ、インヴィンシブルスピリット、サガミックス、サガシティ、ワンソーワンダフル、ドクターフォング、ベストオヴザベスツ、サモナー、コンプトンアドミラル、シーズン、トゥソル、ワナビーグランド、アルボラーダ、パールオヴラヴ、ディルシャーン、ファイアブレーク、ケイプオヴグッドホープといったG1勝ち馬を兄や姉に持つ馬たちがラインナップされているのである。

 今年のタタソールズ・オクトーバーが例年以上に注目されるのは、このセールで購買された馬を対象に、ヨーロッパの水準に照らし合わせると「驚くべき」高額賞金のボーナスレースが、ニューマーケット競馬場を舞台に創設されることと無関係ではなかろう。世界各国の主だつせり市場には、その市場で取引された馬のみに出走資格のある「ボーナスレース」が設定されていることは珍しくないが、今年の「タタソールズ・オクトーバーセール・パート1」出身馬を対象としたボーナスレースは、用意されている賞金が文字通り「桁違い」なのである。

 新設されたボーナスレースは3つ。1つは、購買馬たちが2歳の秋を迎える、来年10月に行われる距離7Fの「タタソールズ・ミリオン」。総賞金が100万ポンド(約2億5千万円)で、1着賞金が55万ポンド(1億3750万円)というのは、2歳戦としては言うまでもなく英国最高賞金で、この国の全ての競馬を含めても、英国ダービーに次ぐ2番めの高さとなっている。2つめが、同じ時期に同じ条件で行われる、2歳牝馬限定戦の「フィリーズ800」。こちらの総賞金は80万ポンド(約2億円)で、1着賞金が44万ポンド(1億1千万円)。3つめが、購買馬たちが3歳の春を迎える、再来年4月に行われる距離10Fの「タタソールズ3歳トロフィー」。こちらの総賞金は40万ポンド(約1億円)で、1着賞金22万ポンド(約5500万円)となっている。すなわち、3レースの総賞金は5億5千万円にも上るわけで、この金額が、今年のタタソールズ・オクトーバーセール・パート1に上場予定の732頭にのみ用意されているというのは、バイヤー側にとって極めて大きなインセンティヴになろう。

 果たして今年の今年のタタソールズ・オクトーバーがどんなマーケットになるのか、結果は後日このコラムでお伝えしたい。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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