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好メンバー必至のクイーンエリザベス2世S

  • 2007年09月25日(火) 23時50分
 英国のアスコット競馬場で行われる、欧州マイル路線の総決算G1クイーンエリザベス2世Sは、現状で考えられるほぼ最高のメンバーが揃いそうだ。

 各社ブックメーカーが、3倍前後のオッズで1番人気に推しているのが、前年に続くこのレース連覇を狙うジョージワシントン(牡4歳)だ。昨年の欧州マイル王者も、今季はここまでG1ばかり3戦して、いずれも入着しながら未勝利という成績に終わっているが、愛2000ギニー2着、G2セレブレーションマイル3着と期待を裏切りながら、ここで見事な復活を果たした昨年の再現を、ファンも望んでいるということなのだろう。

 2番人気が、9月24日のエントリーステージで2万5000ポンド(約600万円)の追加登録料を支払って参戦を表明したダルジナ(牝3歳)だ。ここまでの戦績6戦5勝。春は仏1000ギニーで、英1000ギニーからの連勝を狙ったフィンスケールビオを退けて優勝。続くロイヤルアスコットのコロネーションSでは、道悪に泣いて生涯初の敗戦を喫したが、続くドーヴィルのG1アルタルテ賞、前走ロンシャンのG1ムーランドロンシャン賞を再び連勝。ことに前走のムーランドロンシャン賞は、ジョージワシントンを含めた古馬の一線級を退けての勝利で、その価値は高い。この馬の参戦で、今年のクイーンエリザベス2世Sは一気に厚みを増したと言えそうだ。

 3番人気が、名手フランキー・デトーリが乗るラモンティ(牡5歳)。今季からゴドルフィンの傘下に入り、ロイヤルアスコットのクイーンアンS、グロリアスグッドウッドのサセックスSと、この路線のG1・2勝。前走ムーランドロンシャン賞ではダルジナの2着と後塵を拝したが、現在の欧州マイル戦線では最も安定して古馬が、この馬であることは間違いない。

 4番人気が、エクセレントアート(牡3歳)。ロイヤルアスコットのG1セントジェームスパレスSを制した、欧州マイル戦線における3歳牡馬の代表格だ。前走、8月1日のサセックスSでラモンティーのアタマ差の2着となり、古馬の一線級とも互角に渡り合えることを証明している。

 この他、古馬勢からは、クイーンアンS・2着、サセックスS・3着と安定した成績を挙げているジェレミー(牡4歳)、8月25日にグッドウッドで行われたG2セレブレーションマイルの2着馬チェザレー(セン6歳)、G1・2勝馬で、今季もロイヤルアスコットのG2ウィンザーフォレストSを制しているナニーナ(牝4歳)。3歳勢からは、セントジェームスパレスS・2着馬で、前走は10f路線のG1愛チャンピオンSでディラントーマスの2着となったデュークオブマーマレイド(牡3歳)、春の英2000ギニー2着馬ヴァイタルエクワインらも登録している、今年のクイーンエリザベス2世S。性別や世代、国境を越えた、オールスターキャストの共演となりそうで、今季の欧州マイル王者を決定するに相応しい至高の戦いとなりそうだ。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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