スマートフォン版へ

阪神JFは距離経験のある馬がベター

  • 2007年11月27日(火) 23時55分
 2歳GIは牡馬牝馬ともに1600mで行われるが、中山と阪神、阪神の新旧といったコースの違いがあっても、「長めの距離経験がある馬が強い」という傾向が共通している。

 過去10年の阪神ジュベナイルFで見ると、10頭の勝ち馬のうち3頭は前走が芝1800m。14頭中の3頭なので勝率は21.4%であり、全馬平均の5.9%を大きく上回る。

 朝日杯では2002年に距離短縮組が1〜3着を独占したことがあり、やはりスタミナに余裕があったほうが良いように見える。

 ちなみに昨年の阪神ジュベナイルFというと、勝ったウオッカは前走が1800mの黄菊賞。2着アストンマーチャンはマイル以上の経験がなかったが、3着ルミナスハーバーはマイルでの未勝利勝ちと、1800mでの新馬2着があった。

 ただ一方で、5着だったイクスキューズも1800m経験はあったわけで、長いところの実績が阪神JFにおける十分条件になるわけではない。また、アストンマーチャンのような馬もいるわけで、必要条件でもない。あくまで「経験があったほうが好ましい」ということなのである。

 ただ、馬鹿にした要素でないのも事実。過去10年の1番人気馬のうち唯一1600m以上経験のあったテイオムオーシャンはしっかりその期待に応えている。また、[0-0-4-6]と不振の2番人気において、3着を確保した4頭のうち3頭は1600m以上の経験があった。

 また、人気薄(7、8番人気)で優勝した4頭のうち、タムロチェリー(1800mで未勝利勝ち)、アインブライド(1600mの野路菊S勝ち)、ショウナンパントル(1600m戦ばかり3回走った後の参戦)と3頭が1600m以上の距離経験組だったことも注目に値するだろう。

 今年はファンタジーSの1、2着がともに今回初距離。あくまで緩い縛りの話なのでこの2頭が絶対に飛ぶとかそういう話ではないが、予想・馬券構成上はその2頭をヒモにとどめた組み立てでいきたいと思う。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング