北半球で行われる今年最後のメジャーなセールが、12月8日から11日まで仏国のドーヴィルで行われる「アルカナ・ディセンバーセール」だ。繁殖牝馬を中心に、当歳、現役馬、種牡馬まで、様々なカテゴリーの馬が上場される、ミックスセールである。
セール主催会社の大株主がアガ・カーン殿下だけに、欧州でも最も成功しているといわれる殿下の生産組織から、今年も40頭がエントリーしている。昨年のG1香港ヴァーズ3着馬シャムダラの妹にあたる未出走の3歳牝馬シムラナ(上場番号95番)や、G1仏2000ギニー勝ち馬アシュカラーニの妹で、現在レッドランソムを受胎中のアシーナ(上場番号413番)らは、特にバイヤーの目を引くことになるはずだ。
ニアルカス・ファニリーのフレネイ牧場からも、愛2000ギニー勝ち馬サフロンウォルデンをはじめ3頭のG1勝ち馬の妹にあたる3歳牝馬セレノ(上場番号57番)や、母が仏国の2冠牝馬イーストオヴザムーンで、祖母がG1・10勝のミエスクという超良血の3歳牝馬アルファルーピ(上場番号454番)をはじめ20頭が上場される。更に、シェイク・モハメドの生産組織ダーレーからも14頭、シェイク・ハムダンの仏国における生産組織シャドウェル・フランスからも10頭が上場を予定しているなど、欧州のトップブリーダーからの放出品が豊富なのが魅力である。
繁殖牝馬セールと言えば、話題の新種牡馬の子を受胎している牝馬を買うというのも、醍醐味の1つだ。今年も、アドヴァロレム、オーシールールズ,ジェントルウェイヴ、ハリケーンラン、レイマン、リブレッティスト、シロッコといった、今年の春が初供用だった種牡馬を受胎した牝馬が上場を予定している。
中でも、G1クリテリウムドサンクルー勝ち馬パイタの妹で、05年のBCターフ勝ち馬シロッコの初年度産駒を受胎しているパルメイラ(上場番号68番)は、注目の上場馬だ。
もちろん、新種牡馬だけではなく、実績あるトップサイヤーを受胎して上場される一流馬も多数いる。
例えば、初年度産駒から英国G1勝ち馬ナタゴラが出て話題の日本産種牡馬ディヴァインライトを受胎している牝馬が7頭上場を予定している。中でも、JC・2着馬ファビラスラフインの妹にあたるポリカル(上場番号36番)や、母が凱旋門賞2着馬マジックナイトで、毎日王冠など重賞4勝のマグナーテンの姉にあたるマジックドーン(上場番号538番)らは、日本人購買者の耳目も集めそうだ。
欧州における次世代のリーディングサイヤー候補と言われるダラカニを受胎した牝馬も4頭いる。中でもバイヤーの目を引きそうなのが、G1コロネーションS勝ち馬シェイクザヨークの妹にあたる3歳牝馬トロピカルグラマー(上場番号155番)、凱旋門賞馬サーキーの姉にあたるアルハリール(上場番号370番)らである。
果たしてどんな血脈にどんな値段がつくか。結果に注目したい。