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ガーネットSは今回で最後

  • 2008年01月08日(火) 23時52分
 既に発表されている番組によると、カペラSが新設されるかわりにガーネットSは今年限りで廃止となるらしい。最後と聞くと、当てておきたくなるものである。

 そのガーネットSだが、途中でハンデ戦に変更されたのは皆さんご存知の通り。97年の重賞格上げ時は別定戦として始まり、03年からハンデ戦となった(ちなみに02年は東京で施行されている)。

 別定戦として行われた6回は、全馬を均等買いした場合の回収率が単57%・複71%。ハンデ戦になってからは単30%・複192%である。これだけを見ると、ハンデ戦になったおかげで複穴が……という気分になる。

 しかし、記憶力の良い方ならばお分かりだろう。この複勝回収率、2頭の大穴によって作られたものなのである。

 05年16番人気2着のエンゲルグレーセ。

 03年15番人気3着のスターキングマン。

 エンゲルグレーセは当時8歳で終わった馬と思われていた(その後にクラスターCを勝つのだが)。スターキングマンはダービーグランプリの2着馬だったが、そのあと10着→12着→8着ときてのガーネットS。ともに人気が無かったのも当然といったところだ。

 ただ、この2頭には共通項がある。ともに前走はダート1800m戦に出走しており、しかもそれまでの最良績も中距離でのものだったということだ。

 ガーネットSはハンデ戦になってから終いのかかるレースが増えている。別定戦時代の5回(東京施行時は除く)のラスト1Fを古いほうから挙げると13.1秒、12.5秒(不良馬場)、13.0秒、12.9秒、12.3秒だが、ハンデ戦になってからは13.0秒、13.6秒、12.7秒、13.2秒、13.0秒だ。

 また、通過順ベースで見ても、なにかしら後ろから飛んでくる傾向が強い。つまり、距離短縮で前半ペースについていけなかったことが結果オーライになりうるということであり、先述した2頭はその極端な例というわけだ。

 別にダート1800mにこだわる必要はないのだが、距離短縮でくる馬や、いつももうちょっとのところで届かない差し馬には注意を払いたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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