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ファシグティプトン・コールダーセール上場馬出揃う

  • 2008年02月05日(火) 23時50分
 今年の3歳世代から、G2レムゼンS勝ち馬コートヴィジョンや、G3ジェネラスS勝ち馬ザレパードといったケンタッキーダービー候補が出現。日本でも、紅梅Sを制して桜花賞を狙う有力馬の1頭となったエーソングフォーが出るなど、相変わらず出身馬の活躍が目立つ「ファシグティプトン・コールダー2歳トレーニングセール」。2月26日(火曜日)にフロリダ州コールダー競馬場で行われる今年のセールの上場馬が出揃った。まず今年の「コールダーセール」は、開催フォーマットがこれまでと様変わりした。北米の主要な2歳セールと言えば、公開調教が2度行われるのが定番だったが、今年のコールダーセールの追い切りは、2月22日(金曜日)に催される1回のみ。

 近年、北米各地の2歳セールで、1回目の追い切りで水準以上の時計をマークした馬が、2回目の追い切りをパスして馬場入りしないケースが続出。日本人を含む遠方からのバイヤーにとっては、セール直前に行われる2回目の追い切りが、実馬の走りを目のあたりに出来る唯一の機会なのに、ここに出て来ない馬が多いのでは「調教セールの意味がない」との批判が各所から噴出していた。そこで、コールダーセールを主催するファシグティプトン社は、試みに今年の公開調教を1回だけにしたのだが、このフォーマットに対して購買者側・上場者側からどんな声が聞かれるか、反応が楽しみである。

 今年の上場予定馬は、前年より30頭余り少ない263頭。

 個人的には、04年の2冠馬で次世代のリーディングサイヤー候補と目されるスマーティジョーンズや、04年のチャンピオンスプリンターで市場における産駒の評判も上々のスパイツタウンらの初年度産駒が、追い切りでどんな動きを披露するかを、非常に楽しみにしている。ことに、父スパイツタウンの牡馬で、05年の全米チャンピンスプリンター・ロストインザフォグの弟にあたる上場番号176番の牡馬などは、どんな馬体をしているものやら、実馬を見るのが待ちきれない思いだ。

 この他にも、血統的な注目馬は多い。

 上場番号113番の牡馬は、デビューから無敗でBCジュヴェナイルを制して07年の全米2歳チャンピオンとなったウォーパスの弟だ。父は、このセール出身馬で、01年のKYダービーを制したモナーコスである。

 上場番号240番の牝馬(父メダグリアドロー)は、昨秋のG1シガーマイル勝ち馬ダーハーの妹だ。母アイリッシュチェリーが、先日のキーンランドジャニュアリーセールで270万ドルで購買されたことを考えると、この馬にも相当の金額がオファーされることになるはずだ。

 上場番号44番の牡馬(父ウォーチャント)は、昨年の凱旋門賞3着馬で、今季の欧州古馬12f路線の主軸の1頭と言われるサガラの弟だ。伯父に、欧州マイル王者のスピニングワールドがいるという、欧州の名門血統である。

 この他、アーリントンミリオン等を制した北米芝チャンピオン・パラダイスクリークの弟にあたる上場番号24番の牡馬(父ヴィンディケーション)や、母がロイヤルアスコットのG1コロネーションS勝ち馬シェイクザヨークという上場番号66番の牡馬(父フサイチペガサス)などにも、購買者の注目が集まるはずだ。

 日本に縁のある血統としては、CBC賞勝ち馬ブラックバースピンの弟にあたる上場番号34番の牡馬(父メダグリアドロー)や、日本のダート王ゴールドアリュールの従兄弟にあたる牡馬で、昨年のキーンランドセプテンバーセールで45万ドルという高値でピンフックされている上場番号231番(父アンブライドルズソング)なども、市場における注目馬となるだろう。

 セールの結果もこのコラムでお届けする予定なので、楽しみにお待ちいただきたい。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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