1月のシンザン記念、京成杯に続いて、ここもフルゲートで行われた牡馬クラシック路線のステップレースは、またまた難しい波乱の結果がもたらされた。
ふつうの年だと、クラシックの有力馬が含まれることの多い12月のラジオNIKKEI杯の1〜2着馬サブジェクト、サダムイダテンがそろって出走という珍しいケースになった。当然、この2頭は高い支持を受けたが、結果は9着、5着の凡走。雪での日程変更、ともに初の左回りのコースなど、情状の要素もあるにはあったが、それにしてもちょっと負け過ぎ。あまりスケールの大きさは感じさせなかった。
とくに圧倒的な人気(単勝1.5倍)を集めたサダムイダテンは、まだ今回が3戦目。ここで崩れたからといってそう一気に評価を下げても良くないが、バネを感じさせるシャープなフットワークが長所であると同時に、牝馬のような頼りなさも感じさせた。余裕をもって追走し、直線に向いて大事に外に出し、期待通りに伸びかけたのは一瞬だけ。最後は止まって、伏兵マイネルスターリー、さらにはシングンリターンズにも差し返されるような形での5着。スケール負け、迫力負けの印象があった。
同じラジオNIKKEI杯組のサブジェクトもいいところなく失速したこと、また、NIKKEI杯で差のなかった接戦の4〜6着馬がそのあと500万条件級でも苦戦していることも、レースレベルを考えるうえで気になる点だろう。
2番人気に支持されたジュニアC勝ちのスマートファルコンも、中京2歳Sの内容が買われたホッカイカンティも、伸びるかと思えたのはやはり一瞬だけ。それぞれここでそれなりの結果を出すことで初めて路線に乗り、なおかつ勢力図の1頭に加わりたかっただけに案外、がっかりの内容だった。
勝ったショウナンアルバ(父ウォーエンブレム)は、休みをはさんでこれで3連勝。軽快なスピード系の印象が濃かったため、ここまでは評価は低かったが、今回は行きたがるのを敢えて控える形での先行抜け出し。カリカリして馬場に先に入り、レースでも前半は折り合いを欠くようなシーンもあっただけに、着差以上の快勝だろう。
ただし、ちょっと壁に当たっていた形のタケミカヅチ、同じようにやや伸び悩んでいたマイネルスターリーが2〜3着なので、先の京成杯、シンザン記念の後とまったく同じように、ここで核になる存在が出現したわけではない。今年の場合、今週のきさらぎ賞、さらには3月の弥生賞のころになっても一戦ごとに勝ち馬の変わる難解なステップレースが連続しそうだ。