まだ発表されていないが、昨年アサクサキングスが1分48秒8で勝ってレーティングが105だったことから、今年のレインボーペガサスもおそらくほぼ同じ程度のレーティングと推測される。抜け出した馬はいない混戦、接戦…といわれる今年、年が明けてシンザン記念、京成杯、共同通信杯、そして、きさらぎ賞とほとんどがフルゲート(近年ではめったにない)の接戦で推移してきたが、まったく珍しいことに一連のステップレースの勝ち馬のレーティングはことごとく「105〜106」に集中し、レースレーティングもほとんどが似たような数値で並んでいる。見た目の印象やレース直後の感覚だけでなく、数値化したランキングでも一連のステップレースの上位馬は横一線に近いのである。
昨年、ゴスホークケンの快勝した朝日杯FSは勝ち時計も速く、同馬のレーティングだけは1600mとしてかなり高かったが、このきさらぎ賞にそのときの2着馬レッツゴーキリシマが出走してきた。それが大接戦のゴール前に食い込んで並んでいたから、ゴスホークケン以外の朝日杯FS組もやっぱり同じようなランクなのだろう。
振り返ると、ラジオNIKKEI杯2歳Sも、11月の東京スポーツ杯2歳Sの勝ち馬も105〜106のレーティングだから、レース直後の印象だけでなく、今年のクラシック路線のステップレースはことごとく同じようなレベルで、それぞれレースごとに異なる勝ち馬のランキングはほとんど同じ数値で並んでいるのである。
といって、抜けた能力を示した馬がここまではいないというだけで、喜ぶべきは決してみんなのレベルが低いわけではない。山のように候補があふれていると考えたい。望ましいこと限りない。そして弥生賞、スプリングSを終えてもこの形が急に変わるとは思えず、今年のクラシックはディープインパクトなどの年とは逆の意味で、痛快な結末が待っていそうだ。昨年も、実際の結果はそうだったのだけれど…。
今回のレインボーペガサスにはレース慣れしている強みが大きかった。キャリアを重ねて「本当は芝でこそ…」のスピード能力を前面に出すことに成功したが、新星登場というほど大きく飛躍したともいえず、また可能性のある候補が1頭浮上したということ。ペリエ騎手のメインでの勝負強さも加わっていただろう。そういえば、この馬に限らず本番でだれがどの馬に乗るのかまったく見えてこない点にも今年の混迷がある。
人気のブラックシェルも武豊騎手が乗るのはひょっとして今回だけと思えるフシがあるから、レース運びうんぬんは次のレースとは結びつけにくいし、スマイルジャックも次も小牧騎手かとなると?だろう。体つきが良く映ったのは、今回は反応が鈍すぎたが休み明けだったアルカザンと、ひと息いれていたヤマニンキングリー。この2頭は着順、レース内容以上にプラスを考えたい。
巻き返しに注目したダイシンプランは、0.2秒差だから凡走したわけではなく、ブラックシェル、アルカザンの人気馬2頭には先着したのだが、終始リズムが悪い。あれだけ追い通しでは精も魂も尽き果てる。このあと良化するより反動が心配になった。