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複雑な芝1200mのハンデ重賞

  • 2008年06月09日(月) 23時51分
今週はCBC賞が行われるが、芝1200mのハンデ重賞というのは、それほどあるものではない。最近になってちょっと増えたが、長らく年1レースであった。

 過去10年でいうと、該当レースは13レースある。その13レースを対象に傾向を分析……と思ったのだが、これがなかなか難しい。

 単純に斤量で見ると、買いパターンというのは見つからない。牡馬で53kg以下という軽ハンデ組はしばしば穴をあけているが、連対率ベースでは重ハンデ組ほど優秀で、互いに一長一短である。

 前走斤量からの変動で見ると、穴をあけているのはもちろん斤量が減った組だが、斤量が増えた組は連対率が高い。1kg以上増えた馬は先述の13レースで16頭いるのだが、連対率は31.3%(全馬平均は12.8%)、複勝率は50.0%(同19.2%)にも及ぶ。この組を無視すると、たとえ期待値が高い組み合わせであっても的中率に難が出てしまう。

 結局のところ、「背負っている人気サイドの馬」と「ハンデ有利な人気薄馬」を組み合わせていくしかない。

 今回対象としている13レースでは2ケタ人気で馬券に絡んだ馬がのべ8頭もいるのだが、8頭全員が前走に比べて斤量の減った馬である。

 しかも、
 0.5〜1.5kg減[0-1-0-28]
 2.0〜2.5kg減[1-0-1-11]
 3.0kg以上減[3-0-2-27]

 で、大幅斤量減の効果がてきめんだ。中でも、前走準オープン出走馬はオープン定住組よりもだいぶ成績が良い。今回は登録馬中に該当馬がスパインしかいないが、将来のために覚えておきたい。

 ただ、斤量減で人気となるとうまみはない。3kg以上減ならともかく、2.5kgまでの減で1〜9番人気となると、回収率は単複ともに50%台。「斤量が減っても無理」と思われている馬のほうに妙味がある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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